米5月新築住宅販売件数、前月比5.9%減の76.9万戸―市場予想下回る

経済

2021/6/24 10:24

<チェックポイント>

●在庫不足や資材高騰で住宅価格が急騰し販売を抑制

●2カ月連続で減少―主力の南部が急減

●住宅価格(中央値)は前月比2.5%上昇

 米商務省が23日発表した5月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比5.9%減の年率換算76万9000戸と、4月の同7.8%減(改定前は5.9%減)に続いて2カ月連続の減少となり、市場予想の85万9000-87万3000戸に対しても大きく下回った。80万戸も割りこみ、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)の影響を受けた20年5月(70万4000戸)以来、1年ぶりの低水準に戻った。

 5月統計が弱い数値になったことについて、市場では在庫不足に加え、最近の建築資材の不足や高騰で住宅価格が急騰し、手ごろ価格の物件の減少により住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下したためと見ている。アフォーダビリティの低下を反映し、最近の住宅ローン申請件数も減少傾向を示している。

 5月の販売件数の内訳は、バックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)が前月比0.4%減の27万6000戸と、4月の同6.1%増から減少に転じ、3カ月ぶりの低水準となった。一方、建築中の新築住宅の販売件数も同4.1%減の30万5000戸と、4月の同17.4%減に続いて、2カ月連続で減少し、20年6月以来11カ月ぶりの低水準となった。

 地域別の販売件数は、全体の約6割を占め、販売件数が最も多い南部が前月比14.5%減(前年比3.1%増)の43万2000戸と急減した。対照的に北東部は同33.3%増(同57.6%増)の5万2000戸と急増。また、全体の約2割を占め、南部に続いて販売件数が多い西部も同6.7%増(同6.7%増)の19万戸となった。このほか、中西部は同横ばい(同28.4%増)の9万5000戸となった。

 住宅価格は中央値(季節調整前)が前月比2.5%上昇の37万4400ドルと、4月の同4.9%上昇に続いて2カ月連続で上昇し、過去最高値となった。前年比も18%上昇と、伸びが加速した。

 販売価格帯をみると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が45%と、4月の37%を上回った一方で、15万ドルから40万ドル未満の手ごろ物件の比率は4月の62%から55%(1年前は70%)に急低下し、より高額物件にシフトした。ちなみに、50万ドル以上の物件比率は24%と、4月と変わっていない。

 また、住宅供給(在庫)をみると、5月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比4.8%増(前年比5.8%増)の33万戸と、4月の同2,6%増に続いて、7カ月連続で増加し、19年7月(33万1000戸)以来1年10カ月ぶりの高水準となった。これを5月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は5.1カ月相当と、4月の4.6カ月分を上回り、20年5月(5.3カ月相当)以来10カ月ぶりの高水準となった。

<関連銘柄>

NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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