<新興国eye>チェコ中銀、政策金利を0.25ポイント引き上げ―利上げサイクル入りへ

新興国

2021/6/25 12:26

 チェコ国立銀行(中央銀行)は23日の金融政策決定会合で、政策金利の2週間物レポ金利を過去最低水準の0.25%から0.25ポイント引き上げ、0.50%とすることを全員一致で決めた。市場予想通りだった。欧州での利上げは前日(22日)、0.50ポイントの利上げを決め、利上げサイクル入りしたハンガリー中銀に続いて2カ国目。新金利は24日から適用される。新型コロナウイルスの感染再拡大が続いているものの、製造業など一部セクターで経済活動の再開が進み、インフレ加速リスクが高まってきたとして利上げに踏み切った。

 中銀は20年の2月会合で、19年5月以来9カ月ぶりに利上げ(0.25ポイント)を再開したものの、パンデミック(第1波感染拡大)による経済への悪影響が強まったことを受け、翌3月16日に緊急会合を開き、急きょ0.50ポイント引き下げた。その後、3月27日の通常会合でさらに0.75ポイント、5月会合でも同率の大幅引き下げを決めた。この3会合連続の利下げにより、下げ幅は計2.00ポイントに達したことから、利下げの効果を見守るため、6月会合から前回5月会合まで8会合連続で据え置きに転じていた。利上げは20年2月以来、1年4カ月ぶり。

 市場では最近のインフレ率が物価目標の2%上昇に向かって低下してきたものの、まだ中銀の経済予測を超えており、インフレ加速リスクがあることを踏まえ、中銀は早ければ4-6月期、または7-9月期に利上げに踏み切ると予想していた。市場では21年下期に2回目の利上げ、さらに年内か22年に3回目の利上げを予想している。

 中銀は会合後に発表した声明文で、利上げに踏み切ったことについて、「5月に発表した最新の経済予測と前回会合後の経済指標に基づいて金融政策を決めた。市場金利は21年半ばから上昇すると予想されており、今回の利上げもその予想と一致する。われわれは経済予測に対し、ややインフレ上ブレリスクがあると判断した」とし、利上げを決めた。

 また、利上げの背景には昨冬、チェコ経済が大崩れせず、無事乗り切ったことがある。声明文でも「チェコ経済は21年、変動が大きいが、全体的に成長軌道に戻る。22年はかなり成長率が高まる見通しだ」とし、楽観的な見通しを示している。

 国内のインフレ状況については、「4-6月期のインフレ率は物価上昇の許容レンジ(1-3%上昇)の上限に接近している」としたが、「経済予測によると、今後数四半期は物価上昇の許容レンジの上限あたりで推移し、金融引き締め環境と輸入物価の低下により、22年には物価目標(2%上昇)に近い水準に戻る」としている。前回の会合で発表された最新の5月四半期インフレ報告書では今年のインフレ率は2.7%上昇、22年は2.4%上昇と予想している。

 今後の金融政策については、「今回の利上げ決定により、市場金利は21年下期(7-12月)も引き続き、上昇が続くことが予想される」とし、下期に追加利上げに向かう可能性を示した。中銀の最新の経済予測によると、3カ月物PRIBOR(プラハ銀行間取引金利)で見た市場金利の見通しは21年が0.7%と、前回2月予想と変わっていないが、年内に3回の利上げを想定している。22年は1.6%と、前回予想の1.5%をやや上回っている。

 次回の会合は8月5日に開かれる予定。

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 上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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