<新興国eye>前週の上海総合指数、証券投資ブーム期待で4週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2021/6/28 10:23

 前週(21-25日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の25日終値が18日終値比2.34%高の3607.562となり、4週ぶりに反発した。

 週明け21日の指数は反発して始まり、週末25日まで5連騰した。

 21日は、前の週にFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派にシフトしたとの受け止めからドル高・人民元安が進み、中国株が軟調となった動きが一服し、かろうじてプラス圏で引けた。

 22日は、中国10年国債利回り上昇が一服したことや、米株市場の回復と原油高が支援材料となった。ペトロチャイナ(中国石油天然気)が急伸し、指数の上げを主導。銀行株も預金金利の設定基準が変更され、銀行の資金調達コストの上昇圧力が緩和するとの見方で買われた。

 23日は、前日の米下院公聴会でパウエルFRB議長が、「インフレ懸念だけに基づく性急な利上げは行わない」と発言したことを受け、米早期金融引き締め懸念が後退したことが支援材料となった。

 24日は、前日に発表された中国1-5月国営企業利益総額が前年比2.7倍となったことや、中国人民銀行(中銀)が公開市場操作(オペ)で市場に300億人民元を供給したことが買い材料になったものの、薬価引き下げでヘルスケア株が売られたことで、指数は上げ幅を縮めた。

 25日は、今後、国内投資家の間で資産運用ブームが起こるとの申銀万国証券研究所の調査リポートを受け、証券株が買われ、指数の上げを主導した。

 今週(6月28日-7月2日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外の新型コロナ感染とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は30日の中国6月製造業PMI(購買部景気指数)や1日の中国6月財新製造業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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