<新興国eye>前週のインド株、マルチ・スズキの自動車販売価格引き上げを好感し反発=BRICs市況

新興国

2021/6/28 10:32

 前週(21-25日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の25日終値は前日比0.43%高の5万2925.04、週間ベースでも18日終値比1.11%)高となり、反発した。

 週明け21日の指数は買い優勢で始まり、22日も値を上げ、3営業日続伸した。

 21日は、経営難に陥っているPMC銀行の救済問題をめぐり、インド準備銀行(RBI)が投資銀行大手セントラム・キャピタルによるPMC買収を承認したことを受け、セントラムが急伸し、指数の上げを主導。また、国営の市中銀行であるインド中央銀行とインド海外銀行が民営化されるとの一部報道も支援材料となった。

 22日は、政府が自動車のACCバッテリー(予備電池)製造で支援策を発表したことや、スズキ<7269.T>のインド法人マルチ・スズキ・インドが7-9月期に自動車販売価格を引き上げることを決めたことが、指数の押し上げにつながった。

 23日は反落。米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスがインドの21年経済成長率見通しを従来予想の13.9%増から9.6%増に下方修正したことが嫌気された。

 24日は反発し、週末25日も値を上げ、続伸した。

 24日は、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期金融引き締めへの懸念が後退したのを背景に、インドではIT株を中心に買いが広がった。

 25日は、アジア市場が堅調となったことを受け、金融や金属、医薬品の各セクターが買われたほか、マルチ・スズキが自動車価格の値上げが引き続き好感され、指数の上げを主導した。

 今週(6月28日-7月2日)のインド市場は、新型コロナ感染やワクチン接種の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向、米中関係、米長期金利や原油価格の動向、インド国内の景気動向や金融緩和期待、主要企業の四半期決算などが注目される。主な経済指標の発表予定は30日の6月財政収支と5月インフラ部門生産高、1日の6月日経製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、

 インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ