<新興国eye>前週のブラジル株、政府の配当金課税法案を嫌気し、3週続落=BRICs市況

新興国

2021/6/28 11:09

 前週(21-25日)のブラジル株式市場は25日のボベスパ指数が前日比1.74%安の12万7255.6、週間ベースでも18日終値比0.90%安となり、3週続落した。

 週明け21日の指数は続伸して始まった。前の週にFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派にシフトしたとの受け止めから、海外市場が回復の兆しを示し、ブラジル市場でも買い安心感が広がった。また、原油高で国営石油大手ペトロブラスが急伸したことも指数をサポートした。

 22日は反落し、23日も値を下げ、続落。

 週前半から半ばにかけては、中銀の金融政策決定会合に関する議事録が公表され、エネルギー価格の上昇でインフレが短期的に急加速するとして追加利上げの必要性が議論されたことが嫌気されたほか、利益確定売りが優勢となった。

 24日は反発。6月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)消費者信頼感指数が80.9と、5月の76.2を大きく上回ったことや、米景気の回復期待の高まりで米株市場が上昇したことが好感された。

 週末25日は急反落した。政府が税制改正法案を下院に提出したが、個人所得税の課税最低限引き上げや法人税減税の一方で、配当金課税を盛り込んだことが嫌気され、指数は3週間ぶりに12万8000ポイントの大台を割り込んだ。

 今週(6月28日-7月2日)の株式市場は、国内外の新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は29日の6月ジェトゥリオ・バルガス財団IGP-MIインフレ指数や5月PPI(生産者物価指数)、30日の6月財政収支、1日の6月製造業PMI(購買担当者景気指数)と6月貿易収支、2日の6月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)と5月鉱工業生産など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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