RBA、政策金利0.10%を据え置き―9月以降資産買い入れペースを減速

経済

2021/7/6 17:18

<チェックポイント>

●9月から資産買い入れ規模週40億豪ドルに縮小も11月までは資産買い入れを継続

●3年国債利回り目標を0.1%に据え置き―24年4月満期で終了へ

●インフレ率が2-3%の物価目標レンジになる24年まで利上げせず

 豪準備銀行(RBA、中銀)は6日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を過去最低水準の0.10%に据え置いた。市場予想通りだった。

 RBAは20年11月会合で、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)の悪影響が現れ始めた3月以来、8カ月ぶりに利下げを決めたが、20年12月会合で据え置きに転換。これで据え置きは7会合連続となる。

 ただ、現在のQE(量的金融緩和)による国債などの資産買い入れは9月以降、買い入れペースを現在の週50億豪ドル(月200億豪ドル)から同40億豪ドル(同160億豪ドル)に減額した上で、11月まで継続する弾力運用方針に転換した。これは現在のインフレに対しハト派(景気リスク重視の金融緩和派)スタンスを維持しながらもQEの弾力的な運用により景気刺激一辺倒からの方向転換の第一歩となる。

 RBAは声明文で、「これらの金融政策措置は引き続き景気回復局面から拡大局面への過渡期にある経済を支援する」とし、その上で、「雇用の最大化と物価目標の達成にコミット(積極的に関わる)しており、今回の決定は経済をこれらの目標達成に向かわせるためだ」とした。

 また、先週のインド型(デルタ型)変異ウイルスの感染拡大による景気への影響については、「最近のウイルス感染拡大とロックダウン(都市封鎖)は目先の景気見通しの不確実性の一つになっている。これまでの経験から感染拡大がいったん抑え込まれ、規制措置が緩和されれば、景気が急速に回復している」とし、感染拡大とロックダウンの経済への影響は一過性との見方を示した。

 インフレ見通しについては、「21年は1.5%上昇、23年半ばまでに2%上昇になる」としたが、「4-6月期はベース効果で一時的に前年比約3.5%上昇に加速する」と見ている。

 また、RBAは3年国債の利回り達成目標も0.1%近辺とする方針を据え置いた。また、目標達成のためのオペの対象については、24年4月償還債を維持した。5月会合のときに、「7月会合で24年4月満期に据え置くか、または、次の24年11月満期に延長するか検討する」としていた。

 今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様に、「インフレが持続的に2-3%の物価目標の範囲内に収まると確信するまで、政策金利を引き上げない」とのフォワードガイダンス(金融政策指針)を維持した。さらに、「インフレ率が物価目標に収まるには賃金がかなり上昇する必要があり、そのためには雇用が大幅に拡大し、タイトな雇用市場に戻る必要がある。RBAは少なくとも24年まで政策金利が引き上げられる状況にはならないと見ている」とし、最低3年間、金融緩和スタンスを維持する方針も据え置いた。

 ロウRBA総裁は賃金と失業率を金融政策の前面に出し、失業率が5%を下回ることが賃金の上昇を引き起こすとの考えを示している。また、インフレ率が2-3%上昇の物価目標を持続的に達成するには賃金が現在の2倍の3%を超えるペースで上昇する必要があると指摘している。

 市場では、ロウ総裁がインフレの加速を一時的と考えていることから、RBAが金融引き締めに踏み切るのは豪ドル高の進行を回避するためにもFRB(米連邦準備制度理事会)のあとになるとみており、利上げ転換は早くて22年11月と予想している。

 次回会合は8月3日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社

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