<新興国eye>トルコ中銀、主要政策金利を据え置き―市場予想通り

新興国

2021/7/15 10:54

 トルコ中央銀行は14日の金融政策決定会合で、インフレを抑制するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を19.00%の高水準で据え置くことを決めた。市場予想通りだった。

 中銀は昨年の9月会合で新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による経済への悪影響が薄れ、景気回復ペースが速まりインフレが加速し始めたとして、18年9月以来2年ぶりに2.00ポイント利上げした。10月に金利を据え置いたが、11月会合で一段とインフレを抑制するため、政策金利を一気に4.75ポイント引き上げ、12月の前回会合でも2.00ポイントの追加利上げを決めた。1月会合と2月会合では一連の利上げ効果の様子を見るためとして据え置きを決めたが、前回3月会合で2.00ポイントを引き上げ、利上げ幅は20年以降で計10.75ポイントに達した。据え置きは前回6月会合に続いて、これで4会合連続となる。

 中銀は会合後に発表した声明文で、主要政策金利を据え置いたことについて、前回会合時と同様、「パンデミックに伴う経済規制の影響で4-6月期の内需の伸びはやや減速したが、外需は依然強い。ワクチン接種の加速でサービス業や観光業が回復しており、国内の経済活動は強い状態にある」とした上で、「高水準のインフレとインフレ期待がインフレ見通しの(上ブレ)リスクとなっていることを考慮すると、4月の四半期インフレ報告書で示されたインフレ率の大幅低下見通しが達成されるまで今の金融引き締めスタンスが維持される必要があると判断し、金融引き締めスタンスを据え置いた」としている。

 金融政策の見通しについては前回会合時と同様、「強いディスインフレ(物価上昇率の鈍化)効果を維持するため、インフレ指標が持続的に低下し、中期の物価目標である5%上昇に収束するまで、政策金利はインフレ率を絶えず上回る水準で決められる」とのフォワードガイダンス(金融政策の指針)を据え置いた。

 トルコ統計局が5日発表した6月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比17.53%上昇と、5月の16.59%上昇から伸びが加速し、2年ぶりの高い伸びとなった。市場予想の17%上昇も上回った。5月CPIは新型コロナ感染拡大で3週間のロックダウン(都市封鎖)を実施したため、約2年ぶりの高い伸びとなった4月の17.14%上昇から8カ月ぶりに伸びが減速していたが、6月は再び加速した。6月の高い伸びは通貨トルコリラ安による輸入物価の上昇とベース効果によるものだ。

 次回の金融政策決定会合は8月12日に開かれる予定。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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