来週の日本株の読み筋=決算待ちの様相強まり動きにくい

国内市況

株式

2021/7/16 16:49

 来週(19-22日)の東京株式市場は、五輪絡みの連休により3営業日の変則日程となるが、4-6月期決算待ちの様相を強めよう。21日に注目企業の日電産<6594.T>が決算発表を予定しているが、主要企業の決算発表が本格化するのは次の週(26-30日)の後半からであり、内容を確認するまでは動きにくい。

 国内では、首都圏を中心に新型コロナウイルス感染者数の増加が顕著で、ワクチン不足も顕在化。緊急事態宣言の再発出により菅政権の支持率は過去最低水準まで低下しており、外国人投資家の買い手控えにつながっている点は否めない。東京五輪(23日から開催)も政治リスクの火種としてくすぶり、日本株が世界相対で割り負ける「ジャパンスペシャル」の状態を抜け出せずにいる。

 もっとも、産業機器の安川電<6506.T>の3-5月期(今2月期第1四半期)決算や、半導体ファウンドリー(受託製造業者)世界最大手の台湾TSMCによる7-9月売上の見通しなど、これまでに明らかになった指標企業の業況は好調だ。こうした中、需給面ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとする年金の買い余力も残るとみられ、相場の下値はそれなりに固いと考えられる。

 スケジュール面では、国内で21日に6月貿易統計、6月17-18日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨が発表される。海外では22日に米6月中古住宅販売件数、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)が予定されている。

 16日の日経平均株価は3日続落し、2万8003円(前日比276円安)引け。15日の米国株式市場でハイテク株が下落した流れを受け、値がさハイテク株などに売りが先行した。ファストリテ<9983.T>の株価下落も指数に影響し、下げ幅は一時430円を超えた。一巡後は、押し目買いとともに株価指数先物に断続的な買いが入り、77円安まで下げ幅を縮小したが、買いは続かず、引けにかけて再度軟化した。市場では、「2万8000円割れを買い場とみて押し目買いが入ってはいるが、上値は重い。上値切り下げトレンドは残ったままだ」(準大手証券)との声が聞かれた。

提供:モーニングスター社

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