米6月小売売上高、前月比0.6%増―市場予想0.4%減に反するサプライズ
2021/7/19 9:56
<チェックポイント>
●外食やアパレル、百貨店が増加―家具やホームセンターは減少
●自動車・同部品は前月比2.0%減―自動車用半導体の減産が影響
●コア小売売上高、前月比1.1%増―4-6月期GDP押し上げへ
米商務省が16日発表した6月小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比0.6%増の6213億ドルと、5月の同1.7%減(改定前1.3%減)から増加に転じた。市場予想の0.4%減に反するサプライズとなった。新型コロナの新規感染者数の減少傾向やワクチン接種の進展で経済・社会活動がほぼ全面的に再開される中、パンデミック中に控えられていた外食や娯楽、旅行などサービス分野への支出が増加した。前年比は前年同期の数値が低かったため、高めの数値が出る、いわゆるベース効果で18.0%増となった。
全13業種のうち、前月比で9業種が増加し、4業種が減少した。増加幅が最も大きかったのは、どのカテゴリーにも入らない「その他小売」の3.4%増(5月は3.5%減)。次いで電子機器・家電の3.3%増(同5.5%減)、アパレルの2.6%増(同2.2%増)、外食(レストラン・バー)の2.3%増(同3.7%増)。
このほか、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売も1.9%増(同3.1%減)と回復。特に、一般小売のうち、百貨店は同5.9%増(同1.9%増)と急増した。ヘルス(薬局・美容)は1.6%増(同1.2%減)、オンライン小売も米オンライン小売大手アマゾン・ドットコム<AMZN>のプライム会員向け大バーゲンセール「プライムデ-」の効果により、1.2%増(同2.3%減)と増加に転じた。
それとは対照的に、減少幅が最も大きかったのは、家具の3.6%減(同2.3%減)。次いでスポーツ用品・趣味・楽曲・書籍の1.7%減(同1.7%減)、ホームセンターなど建築資材・園芸の1.6%減(同5.3%減)となっている。家具やホームセンターの減少は最近の住宅販売の低迷を受け、改築需要が抑制されたためと見られている。
一方、月ごとに変動が大きい自動車・同部品は前月比2.0%減(5月は4.6%減)となった。自動車用半導体の供給不足で減産に追い込まれたため、在庫不足で販売が落ち込んだことや自動車の販売価格が急上昇したことも販売減少につながった。ガソリンスタンドはドライブ需要の増加に加え、最近のインフレ加速によるガソリン価格の急上昇の影響も加わり、同2.5%増(同0.2%増)となった。
ガソリンと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比1.1%増と、5月の同1.4%減(改定前は0.7%減)から3カ月ぶりに増加に転じた。この結果は、7月29日発表の4-6月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費の押し上げにつながるとみられる。コア小売売上高はGDPを構成する個人消費支出の財支出に組み込まれる重要な指標となっている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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