<新興国eye>前週の上海総合指数、中銀の金融緩和姿勢や6月輸出増を好感し続伸=BRICs市況

新興国

2021/7/19 10:24

 前週(12-16日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の16日終値が9日終値比0.43%高の3539.304となり、続伸した。

 週明け12日の指数は反発して始まり、13日も値を上げ、続伸。

 週前半は、中国人民銀行(中銀)が市中銀行に対する預金準備率を0.5%引き下げ、金融緩和にシフトしたことが好感された。預金準備率の引き下げで約1兆人民元の資金が金融市場に供給される見通し。中銀の易綱総裁はG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で、早期の金融引き締めを回避する考えを示している。その後は、中国6月貿易収支でドル建て輸出が前年比32.2%増と、市場予想の23.1%増を上回ったことや、テンセントによる検索サービス大手の捜狗(ソゴウ)買収が国家市場監督管理総局(SAMR)から承認されたことが支援材料となった。

 14日は大幅反落。米政府が中国の新疆ウイグル自治区での強制労働や人権侵害への制裁措置として、同自治区関連の投資やサプライチェーン(部品供給網)を利用している企業や個人を取り締まる方針を表明し、米中関係悪化を嫌気する売りが出た。

 15日は大幅反発。中国4-6月期GDP(国内総生産)が新型コロナ感染拡大や原材料価格の高騰を受け、前年比7.9%増と市場予想の8.0%増をやや下回ったものの、6月小売売上高、6月鉱工業生産が市場予想を上回り、堅調だったことが好感された。

 週末16日は反落。消費関連株の下落が指数の下げを主導した。

 今週(19-23日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ型変異ウイルス感染拡大とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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