<青天を衝く飛躍株>エフオン、機関投資家の評価高まる再エネ関連株

株式

2021/7/21 15:33

 再生可能エネルギー関連株の活況が続いている。レノバ<9519.T>、イーレックス<9517.T>、ウエストホールディングス<1407.T>と立て続けに過去最高値を更新し、全体相場が軟調な中でも旺盛な押し目買いにより高値圏を保っている。

―国産燃料で温室効果ガス抑制―

 レノバとイーレックスを見ていると、機関投資家が大きく関与せずにあそこまでの上げ方はできないと思われる。当然のことながら、物色の対象はこれらの中核銘柄から周辺の中・小型株(時価総額1000億円以下)にも広がりつつある。テスホールディングス<5074.T>もその流れでの上昇だ。

 そこで今回は、バイオマス発電大手のエフオン<9514.T>を取り上げたい。同社が他のバイオマス大手と異なるのは、燃料を国内材で100%賄っており、本当の意味での再エネを提供している事業者だという点だ。

 バイオマス発電は通常、安価な海外材を輸入して使用する。しかし、海外材は一連の加工・輸送・燃焼のプロセスをみると、国内材に比べて温室効果ガスの排出量が大幅に増える。ものによっては火力発電と同水準の温室効果ガスを排出する場合もあるのだ。

 エフオンは総合的な山林の管理によって、発電所と林業の相互的な好循環を生み出すことを目指している。既に組成されている、あるいは、これから組成するSDGsファンドや環境関連ファンドでは、業績の成長だけでなく、いかに本物の再エネを提供していくか、いかに温室効果ガスを減らしていくか、という視点も重要視される。

―昨年12月高値奪回へ―

 同社のIR(投資家向け広報)は「機関投資家の評価が高まっている」とその実感を明らかにする。また、来年4月に和歌山で5カ所目の発電所(同社の最大規模)が稼働し、送電電力量が総計でおおよそ1.3倍に拡大する見通しだ。

 エフオンのPERはわずか10倍台で、PBR(株価純資産倍率)も1.3倍にとどまる。割高感はなく、今後のテーパリング(債券購入規模の縮小)相場を考えても手掛けやすい。まずは昨年12月の高値1462円までの戻りを期待したいところだ。

提供:モーニングスター社

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