<新興国eye>ロシア中銀、政策金利を1%引き上げ―次回会合で再利上げ検討

新興国

2021/7/26 10:02

 ロシア中央銀行は23日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と、資金吸収のための1週間物入札預金金利を、いずれも1ポイント引き上げ、6.5%とすることを決めた。市場の大方の予想通りだった。

 中銀は会合後に発表した声明文で、想定以上に速いペースで景気回復が進み、インフレ加速圧力が高まったため、追加利上げを決めたとしている。中銀は前回6月会合で、景気見通しについて、コロナ禍前の水準に戻るのは早ければ21年4-6月期とし、4月会合時の同年下期(7―12月)から前倒ししていた。

 インフレの見通しを、21年は5.7-6.2%上昇、22年は4.0-4.5%上昇、それ以降は物価目標に近い水準で推移すると予想。前回の会合では22年下期(7-12月)に4%上昇に達すると予想しており、物価目標の達成時期が23年以降に先延ばしされた。「上ブレリスクにシフトしており、長期的に物価目標から上ブレ方向でカイ離する可能性がある」とした。その上で、「主要政策金利はこうしたインフレ上ブレリスクを抑制し、インフレ率を4%上昇(物価目標)に戻すことを目指す」とし、インフレ動向次第で追加利下げを実施する可能性を示唆した。

 景気見通しについては、21年のGDP伸び率を従来予想の3.0-4.0%増から4.0-4.5%増に上方修正した。7月18日のOPEC(石油輸出国機構)プラス会合で、8月から日量40万バレルずつ増産し、22年9月までには現在の日量580万バレルの減産量を相殺することを決定したことや、国内外の景気回復の見通しを考慮した。中銀は原油増産によるGDP成長率寄与度を21年が0.1%ポイント、22年は0.2-0.3%ポイントと見ている。22-23年の経済成長率については2-3%増に鈍化すると予想している。

 また、中銀は今後の金融政策について、「次回9月会合で、さらなる政策金利の引き上げが必要か検討する」とし、追加利上げの可能性を示唆した。市場では今回の利上げがインフレ率と同じ6.5%に引き上げられたことから、21年下期(7-12月)に政策金利は7.1%まで引き上げられると予想している。

 さらに、中銀は政策金利の決定については、前回会合時と同様、「物価目標の達成との関係で、実際のインフレ率とインフレ見通しの動向や金融政策が波及する一定の期間内での経済成長、金融市場の状況、国内外のリスク要因を考慮して決める」とした。

 次回の金融政策決定会合は9月10日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社

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