<新興国eye>前週の上海総合指数、外国人投資家の買い越しや金融緩和期待で3週続伸=BRICs市況

新興国

2021/7/26 10:56

 前週(19-23日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が23日は16日終値比0.3%高の3550.4となり、3週続伸した。

 週明け19日は続落して始まり、翌20日も値下がりし、3営業日続落。

 週前半は、世界的なデルタ株の感染拡大が下押し材料となり、売りが優勢となった。また、バイデン米大統領が香港国家安全維持法(国安法)は香港の外国企業に悪影響を与えると警告したのを受け、中国側が内政干渉と強く反発したことから米中関係悪化懸念が強まり、売りが広がった。個別では、裁判所から銀行預金凍結命令が下された不動産大手の中国恒大集団が急落し、下げを主導した。その後も原油やアルミ、銅などコモディティ(国際相場商品)が急落したことや、中国人民銀行(中銀)が市場の引き上げ予想に反し、銀行の貸出金利のベンチマークとして導入した1年物ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)を15カ月連続で据え置いたことが嫌気され、売りが一段と強まった。

 21日は4営業日ぶりに反発した。22日も値上がりし、続伸。

 週後半は、香港の外国人投資家が3営業日連続で中国本土株を買い越したことや、中国人民銀行が預金準備率の引き下げに続いて、短期的に一段の金融緩和を行うとの観測が広がり、買いが優勢となった。深セン証券取引所の新興企業向け市場、創業板(チャイネクスト)総合指数が急伸し、15年6月以来の高値を付けたことも支援材料となった。その後は外国人投資家が香港から中国本土への投資を強めたことや、係争中だった中国恒大集団が広発銀行と和解したことを受け、不動産セクターが急伸し、上げを主導した。

 ただ、週末23日は外国人投資家が売り越しに転じたことが嫌気され、売りが広がった。また、韓正副首相が地方政府は不動産開発業者への銀行融資などを厳しく管理すべきと発言したことを受け、不動産株が下落し、相場を押し下げた。

 今週(26-30日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ型変異ウイルス感染拡大とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は27日の6月鉱工業利益や31日の中国製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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