<新興国eye>前週のブラジル株、デルタ株感染拡大やインフレ加速を嫌気し反落=BRICs市況

新興国

2021/7/26 11:10

 前週(19-23日)のブラジル株式市場は23日のボベスパ指数が前日比0.87%安の12万5052.8と4日ぶりに反落し、週間ベースでも16日終値比0.72%安と反落した。

 週前半は、世界的なデルタ株感染拡大を受け、海外株安となり、ブラジル市場でも売り広がった。また、OPEC(石油輸出国機構)プラスが増産を決めたことを受けて、原油価格が急落し、資源株が売られた。その後は海外市場と原油価格が持ち直したことが支援材料となった。また、安値拾いや値ごろ感による買い戻しも強まった。

 週後半は、原油価格の続伸を好感し、国営石油大手ペトロブラスが買われ、上げを主導した。また、中国と欧州市場が堅調となったことも支援材料となった。その後はジャイール・ボウソナロ新大統領が地元テレビのインタビューで、26日に内閣改造を行うと発表したことが材料視され、買いが広がった。詳細は明らかにされていないが、前回の省庁再編で経済省に統合された労働省が再び独立官庁として分離されるほか、閣僚やトップ官僚の入れ替えが断行されると見られている。

 週末は足元の相場上昇による高値警戒感から利食い売りが強まったほか、7月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.7%上昇と、急加速し、04年以来17年ぶりの高水準となったことから8月3-4日のブラジル中銀の金融政策決定会合で1%ポイントの利上げ確率が高まり、売りが優勢となった。

 今週(26-30日)の株式市場は、国内外のデルタ型変異ウイルス感染拡大やワクチン接種の動向に加え、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向、政府の新型コロナ対応の遅れを調査するCPI委員会の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は26日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)7月消費者信頼感指数や27日の6月経常収支、28日の6月PPI(生産者物価指数)、29日のFGV7月IGP-MIインフレ指数、30日の6月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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