米5月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比16.6%上昇―20都市すべてが上昇

経済

2021/7/28 11:19

<チェックポイント>

●「住宅購入需要は数年先取り」と担当責任者

●18都市で過去最高を記録

●シャーロットやダラスなどは過去最大の上昇率に

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が27日発表した5月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比2.1%上昇の254.92と、4月の同2.3%上昇から伸びが鈍化したが、季節要因を無視できる前年比は16.6%上昇と、4月の同14.8%上昇を上回った。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「コロナ禍で住宅取得者が都心のアパートから郊外の一戸建てに住宅購入をシフトさせている。住宅購入需要は数年先取りする形で、急ピッチで加速している」と指摘している。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比2.1%上昇の262.7と、4月の同2.2%上昇をやや下回ったが、6カ月連続で高い伸びとなった。また、前年比は17%上昇と、4月の15%上昇を上回り、04年8月以来16年9カ月ぶりの高い伸びとなっている。

 都市別では、20都市すべてで伸びが加速し、20都市中18都市で過去最高値となった。フェニックスは前年比25.9%上昇と、最も高い伸びを示し、24カ月連続でトップとなった。次いで、サンディエゴが24.7%上昇、シアトルは23.4%上昇、ダラスは18.5%上昇、サンフランシスコは18.2%上昇、タンパは18.0%上昇、ポートランドは17.5%上昇、デンバーとボストンはいずれも17.4%上昇、ロサンゼルスは17.0%上昇、シャーロットは16.9%上昇と、いずれも全国平均の16.6%上昇を上回った。なかでも、シャーロット、ダラス、デンバー、シアトル、また、全国平均には届かなかったものの、クリーブランド(13.6%上昇)は、いずれも過去最大の上昇率を記録した。

 一方、ラスベガスは15.5%上昇、ニューヨークは15.2%上昇、デトロイトは15.1%上昇となった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.9%上昇の275.5と、4月の同2.0%上昇を下回ったが、前年比は16.4%上昇と、4月の14.5%上昇を上回った。価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)を27カ月連続で上回っている。

提供:モーニングスター社

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