カーボンニュートラルで今後更に注目される米国水素関連銘柄4選

最近では、毎日のようにカーボンニュートラルに関するニュースを見聞きするようになったと感じられている方も多いかと思います。

このまま行けば、人間が安心して住める地球環境ではなくなってしまうので、地球温暖化を止めなければならない、ということで、カーボンニュートラルが大きな課題となっています。

長期の課題でありながら、短期の話題である新型コロナウィルス関連のニュースに引けを取らないくらい報道されているのは、それだけ重要であると同時に、カーボンニュートラルが、人々が想像するほど簡単ではないということを示しているということでもあります。

このテーマの中心的話題は、EV(電気自動車)であり再生可能エネルギーによる発電です。

特に、太陽光発電と風力発電が挙げられます(地熱発電はあまり話題になっていないです)。

このどちらもカーボンニュートラルには重要ですが、それだけでは達成できません。

様々な分野で、そしてほぼ全ての分野でカーボンニュートラル、可能であればカーボンネガティブを達成していかなければならない状況です。

最も進んでいるEUでは、国境炭素税が導入されることになりました。

二酸化炭素排出量に応じた追加関税のようなものです。

こうした追加コストを課すことで、二酸化炭素の排出を減らすインセンティブ(ネガティブインセンティブ)にしようという試みです。

最も進んだEUが、水素エコシステム社会へのロードマップを策定して進み始めているなど、再生可能エネルギーと同時に水素の利用も非常に大きな可能性とともに期待されています。

先日ヨーロピアン・コミッションが出した「気候中立欧州のための水素戦略」(”A hydrogen strategy for a climate-neutral Europe”)の冒頭に、なぜ水素戦略が必要かということが述べられています。

全てをご紹介は出来ませんが、最初の部分は以下の通りとなっています。

水素は、ヨーロッパおよび世界中で新たに急速に注目を集めています。

水素は、原料、燃料、またはエネルギーのキャリアそして貯蔵用として使用でき、産業、輸送、電力、および建築などのセクター全体で多くの可能な用途があります。

最も重要なことは、CO2を排出せず、使用時に大気汚染がほとんどないことです。

したがって、炭素排出量の削減が緊急かつ達成が困難な産業プロセスおよび経済部門を脱炭素化するためのソリューションを提供します。

これらすべてが水素を不可欠なものにし、2050年までにカーボンニュートラルに到達するというEUの取り組みを支援し、汚染ゼロに向けて取り組みながらパリ協定を実施する世界的な取り組みを支援します。

これまで、水素が今一つ注目を浴び切れていないのは、コストの問題もありますが、経済的な波及効果が少ないのではないかと思われていたこともあるかと思います。

しかし、今やカーボンニュートラルが国策であり、世界中の取り組むべき課題になってきていることを考えると、水素の重要性は紛れもないものと言えるかと思います。

従って、今回は、水素を使ってカーボンニュートラルに貢献しそうな企業を4銘柄紹介します。

現時点では、水素のピュアプレーとも言える銘柄です。

プラグパワー

プラグパワー<PLUG>は、水素燃料電池システム(Hydrogen fuel cell system)を開発している再生可能エネルギーの会社です。

伝統的なバッテリーで動く乗り物(フォークリフトなど工場・作業場で使われるもの)などのバッテリーを水素燃料電池に置き換えるのが主たるビジネスです。

低コストでゼロエミッション化できる解決策を提供しています。

財務諸表の発表が遅れるなど、混乱がありましたが、ビジネス自体は伸びているようですし、混乱が収拾すれば、再びその成長性、成長可能性に注目が集まるものと期待されます。

また、プラグパワーは全米最大の水素バイヤーですが、買収を進め、グリーン水素生産者にもなろうとしています。

ニューヨーク州で、世界最大のグリーン水素発電施設を建設中です。

ここで成功すれば、他の州、あるいは他の国でも同様のプロジェクトを手掛けることになるかもしれません。

プラウパワーの主たる顧客には、アマゾン、ウォルマート、GM、ホームデポなどがあり、もうすぐ5つめの大きな安定顧客の発表が出来ると会社は言っています。

フュエルセルエナジー

フュエルセル<FCEL>は、水素燃料による発電プラントの設計と運営を行う会社です。

フュエルセルの発電の特徴は、発電に際して燃料を燃やすのではなく、電気化学的なプロセスを使うことです。

水素は、再生可能エネルギーの中では最もコストが高いので、過去に多くのベンチャーがトライし、挫折していきました。

コストは低下しつつありますが、水素に頼る必要があるという認識が高まっているので、多くの優秀な技術者により、コストの低下も行われるものと期待されます。

水素のコストと化石燃料(火力発電)のコストの差=グリーンプレミアムが受容可能なレベルまで低下すれば、一気に花開く可能性が出てきます。

発電用の水素価格にビジネスが依存してしまうので、超長期投資銘柄かもしれません。

あるいは、水素価格の低下がある程度見られてからの投資でも良いかもしれません。

その時は投資妙味が大きい銘柄と言えるでしょう。

ブルームエナジー

ブルームエナジー<BE>は、分散型の電源システムを提供する会社です。

電力会社の発電に頼るセントラライズされたものではなく、使用地に近いところで発電する仕組みです。

非常用発電装置の発展版のようなイメージです。

その発電の仕組みに水素を利用しているものです。

同社は電解システムも製造しており、そのシステムで水素を生成して発電機に送り込めます。

水素の生成までやってしまうので、水素価格に振らされることがありません。

また、同社は海外進出も勧めており、既に、日本にも進出しています。

ブルームエナジー・ジャパンは、ソフトバンク・グループとの合弁で2013年に設立されています。

なお、アメリカには水素にフォーカスする11の企業が集まって結成された“Hydrogen Forward”という組織があり、ブルームエナジーはその中の一企業でもあります。

そのほかには、総合石油企業のシェブロン(化石燃料からの業態転換までは行かなくとも、石油依存度を下げるつもりでしょう)や、「水素燃料自動車ミライ」でEVではなく水素に本気になりつつあるトヨタ自動車も入っています。

バラードパワーシステムズ

バラードパワー<BLDP>は、固体高分子形燃料電池の開発と製造を行う会社です。

この固体高分子形燃料電池では、発電に水素を用います。

同社は、船舶や鉄道などのヘビーデューティー、ミディアムデューティーの動力を必要とするものに、ゼロエミッションソリューションとして、この固体高分子形燃料電池による動力システムを提供しています。

同社は中国、ヨーロッパ、および米国主要都市への進出を強める計画です。

現状はまともに収益も出ていませんし、売上も安定していません。

このような銘柄への投資は、そのビジネスの将来性をどのように考えるか次第です。

収益がちゃんと出始めてからでは、株価の最初の大きな上昇は捉えられません。

難しいですが、想像するだけで楽しくなるものでもあります。

ただ、テクノロジーは常に進化しているので、投資した企業の状況を適宜チェックしておかないと、知らぬうちに相手にされない企業になっていることもあります。

https://www.morningstar.co.jp/redirect/kabushiki_210122.htm

※この記事はモトリーフールジャパンからの許諾を受けて掲載しており、著作権は情報提供元に帰属します。

(イメージ写真提供:123RF)

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