<青天を衝く飛躍株>新光電工、来期は大型設備投資の収穫期

株式

2021/8/3 15:06

 「サプライズ」と評される好決算を公表した企業の株価がさえない。発表翌営業日こそ上昇するが、翌々営業日には早くも勢いを失うことが多いのだ。それならまだしも、場合によってはサプライズ決算の直後から売り込まれるケースも少なくない。

 今期は安川電機<6506.T>を筆頭に、キヤノン<7751.T>、日本電産<6594.T>、ファナック<6954.T>、富士電機<6504.T>、村田製作所<6981.T>、信越化学工業<4063.T>、カプコン<9697.T>など、その例は枚挙にいとまがない。投資家の間に「日本企業の業績ピークは4-6月」かもしれないという漠然とした不安が醸成されつつあるようだ。

 そこで今回は、こうした企業の中でも、来期以降の伸びがとりわけ大きいと予想できる、新光電気工業<6967.T>を取り上げたい。7月29日に発表した今3月期第1四半期決算では、連結経常利益は146億円(前年同期比3.1倍)に拡大。予想も上期を181億円から276億円(前年同期比3.3倍)に、通期を337億円から395億円(前期比49%増)へと上方修正した。

 しかし、上期よりも通期の利益増加分が少ないということで、下期に業績が失速するという懸念から7月30日の株価は3700円(7.0%安)と大幅安になった。しかし、実際にはこの理由は、第2-3四半期に大型の設備投資と償却を予定しているためだ。主力製品である次世代フリップチップパッケージを生産するための設備関連の大型費用が計上される。

 同社の今期の設備投資額は621億円、減価償却費は334億円と、前期の各301億円、173億円からそれぞれ約2倍に増えている。その収穫が来期に本格寄与することを考えれば、決算短信からしか見えてこない情報だけで判断するのは早計だろう。

 来期も大幅に業績が拡大する基調は変わらない。計画が保守的な下期も、第4四半期(来年1-3月)以降は増益基調に回復し、早ければ来期にも利益が倍増する可能性がある。来期は株価が5000円を優に超える展開が期待されよう。

提供:モーニングスター社

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