<新興国eye>トルコ7月CPI、前年比18.95%上昇に加速―市場予想上回る

新興国

2021/8/4 9:07

 トルコ統計局が3日発表した7月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比18.95%上昇と、6月の17.53%上昇から2カ月連続で伸びが加速し、19年4月(19.5%上昇)以来2年3カ月ぶりの高い伸びとなった。市場予想の18.6%上昇を上回った。

 同国のCPI伸び率は18年10月に前年比25.24%上昇と、25%を突破したが、それ以降は政府のインフレ対策や中銀による大幅な金融引き締め政策により低下し始め、19年10月には8.55%上昇と、16年12月(8.53%上昇)以来2年10カ月ぶりの低水準となった。しかし、パンデミックの悪影響が強まった20年の5月はサプライチェーン(部品供給網)の寸断により11.39%上昇、6月も12.62%上昇と、2カ月連続で加速した。その後、パンデミックが一服し、サプライチェーンが正常化したことを受け、7月は11.76%上昇と鈍化。8-10月もほぼ横ばいだったが、11月(14.03%上昇)以降、伸びは加速傾向にある。

 全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)も前年比17.22%上昇と、6月の17.47%や4月の17.77%上昇を下回ったものの、依然高水準となっている。

 政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画では、インフレ率の見通しは21年末時点が8.0%上昇、22年末時点は6.0%上昇、23年末時点は4.9%上昇を予想している。

 他方、トルコ中銀は7月29日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、21年末時点のインフレ見通しを前回4月調査時点の12.2%上昇から14.1%上昇に大きく引き上げた。22年末時点の見通しも前回予想の7.5%上昇から7.8%上昇に引き上げた。ただ、23年末時点では物価目標の5.0%上昇に収束するとの予測を据え置いている。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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