米7月コアCPI、前月比0.3%上昇―市場予想下回る

経済

2021/8/12 10:26

<チェックポイント>

●中古車の伸び鈍化が影響

●前年比4.3%上昇―5カ月ぶりに伸び鈍化

●全体指数、前月比0.5%上昇―市場予想と一致

 米労働省が11日発表した7月CPI(消費者物価指数)はFRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.3%上昇と、6月の同0.9%上昇から伸びが減速し、市場予想の同0.4%上昇も下回った。コア指数は4月の同0.7%上昇以降、2カ月連続で高い伸びが続いていた。

 一方、コア指数の前年比は4.3%上昇と、1991年11月以来、29年7カ月ぶりの高い伸びとなった6月の4.5%上昇を下回り、5カ月ぶりに伸びが鈍化。市場予想通りだった。

 労働省は前月比で伸びが鈍化したことについて、中古車の伸びが大幅に鈍化したことが大きな要因としている。

 コア指数の前月比の内訳は、新車が1.7%上昇、自動車修理も0.9%上昇と、高い伸びとなった一方、航空運賃が0.1%低下(6月は2.7%上昇)、自動車保険は2.8%低下(同1.2%上昇)と、いずれも3カ月ぶりに低下に転じた。特に、中古車(乗用車とトラック)は0.2%上昇(同10.5%上昇)と、伸びが大幅に鈍化した。コモディティ(国際相場商品)も0.5%上昇(同2.2%上昇)と伸び悩んだ。

 一方、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める「シェルター」価格(家賃・宿泊費)は、帰属家賃(OER、持ち家でも借家と同様に住宅サービスを受けているとして家賃で評価したもの)が0.3%上昇(6月も0.3%上昇)となった一方で、ホテル宿泊料は6.0%上昇(6月は7.0%上昇)となったため、「シェルター」価格全体では0.4%上昇(6月は0.5%上昇)と鈍化した。

 全体指数(季節調整後)は前月比0.5%上昇と、6月の0.9%上昇を下回り、市場予想と一致した。

 エネルギーのうち、ガソリンは2.4%上昇と、6月の2.5%上昇を下回り、重油も0.6%上昇と、6月の2.9%上昇から伸びが急減速した。ただ、電気・ガス料金の上昇が大きく寄与し、エネルギー全体では1.6%上昇と、6月の1.5%上昇をやや上回った。

 食品は0.7%上昇と、6月の0.8%上昇を下回った。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は外出規制解除の効果で外食機会が増え、0.8%上昇と、6月の0.7%上昇を上回った。自宅調理用の食品は0.7%上昇(6月は0.8%上昇)と、やや減速。食品の伸びが高いことは物価上昇が広範囲に及んでいることを示す。

 CPI全体指数の前年比はベース効果や米経済の再開が進んだことにより、5.4%上昇と、6月と一致し、市場予想を上回った。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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