インパクトの福井社長、「店舗DB」本格投入で好業績、中計見直し検討も

株式

2021/9/1 15:30

 インパクトホールディングス<6067.T>の福井康夫社長がモーニングスターの朝倉智也社長と対談し、インパクトの強みである「店舗DB」を使った成長戦略を語るとともに、中期経営計画を前倒しで達成する可能性があり、計画の見直しを検討していることも明らかにした。

 インパクトは、店舗店頭に特化したマーケティングの支援企業。21年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結業績は、売上高59億7600万円(前年同期比30.0%増)、営業利益6億8200万円(同2.2倍)と大幅な増収増益を達成している。好業績を実現しているのが、AI(人工知能)機能を搭載した「店舗DB」の本格投入にある。

 「店舗DB」は2004年の創業から一元管理している累計700万件を超える売場・販促活動に関する定量・定性データに加え、人口推計、人口動態、産業構造、労働力調査、有効求人倍率、商業統計などのオープンデータ、企業のホームページに掲載されている店舗情報を組み合わせたものだ。AIを使って無数の切り口を自動作成し、切り口の優先順位付けを実施して効率のよい販促施策の企画・立案ができる。その店の立地や規模などを考慮した最適な販促プロモーションを提案できるため、店頭販促の無駄を省くことができる。

 福井社長は、「現在、『店舗DB』は72社の企業が利用しているが、グループとしての取引社数は1500社あり、利用企業には大きな開拓余地がある」と自信を示す。また、いまは「店舗DB」を無償提供し、デジタルサイネージ、ラウンダー、試飲・試食販売などのサービスを利用してもらうことで収益につなげているが、将来的には月額の利用料を設定し、「店舗DB」自体での収益獲得も視野に入れている。

 このほか、グループ組織の再編により新会社を設立し、店頭販促のプランニング領域を強化する。「店頭販促の企画段階でコンペに誘われるケースが増えた」(福井社長)ためで、競合する広告代理店とも渡り歩く。また、顧客の囲い込みやファン化していく仕組みとして、デジタルプロモーション領域のM&A(企業の合併・買収)や人材採用の強化も図る計画だ。

 21年12月期連結業績は、売上高130億円(前期比17.4%増)、営業利益16億円(同55.5%増)を計画。中期経営計画では、23年12月期で売上高180億円、営業利益20億円を目標としているが、福井社長は、「『店舗DB』を軸とした事業展開を推進することで、計画以上の売上拡大、利益率向上もあり得る。計画の見直しを検討している」と述べた。また、営業利益率は20%以上を目標にするとしている。

提供:モーニングスター社

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