「つみたてNISA対象ファンド」、高水準な資金流入続き残高は過去最高更新中

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2021/9/9 7:50

 つみたてNISA対象ファンドへの高水準な資金流入が続いている。モーニングスターの推計によると、対象192ファンド(パッシブ173本、アクティブ19本)を合計した21年8月の純資金流入額は1671億円となり、9カ月連続の流入超過となった。7月に18年1月の制度開始以降の最高額を2カ月連続で更新(2476億円の純資金流入)していたため、8月の純資金流入額は対前月比で減少したが、過去44カ月の中で第6位と高水準は維持している。国内ファンド全体(ETF除く)の純資金流入額6565億円に占める割合は25.4%と、本数シェアの3.5%を大幅に上回る存在感を示している。

 つみたてNISA対象ファンドは制度開始以降数回にわたって追加されている。このため、便宜的に最新(21年6月18日時点)の対象ファンドについて、18年1月以降の月次フローを集計した。なお、集計に当たっては、つみたてNISA口座以外の一般口座を通じた資金フローも含まれている点をお断りしたい。

 8月までの過去1年間の純資金流入額は1兆5714億円となった。資金流入のけん引役はパッシブファンドで、過去1年間の純資金流入額上位10ファンドは全てパッシブファンドとなった。

 上位5ファンドは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」。いずれもトップクラスのコスト競争力を有する低コストファンドで、中でも、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は投資先ETFの信託報酬を含めた実質的な信託報酬等(税込)が年0.0938%程度と米国株式パッシブファンド(ETF除く)で最安となっている。つみたてNISAは長期投資を前提とするだけに、低コストパッシブファンドの選好ぶりが際立っている。

 好調な資金流入を背景に、対象ファンドの合計純資産残高も急拡大している。21年8月末時点は6兆3106億円となり、10カ月連続で過去最高を更新した。1年前比の増加率は74.4%と国内ファンド全体の26.2%を大幅に上回っている。

提供:モーニングスター社

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