米8月コアCPI、前月比0.1%上昇―市場予想下回り、上昇ピークアウトの兆し

経済

2021/9/15 10:02

<チェックポイント>

●航空料金と自動車保険、中古車が大幅低下

●前年比4.0%上昇―2カ月連続で伸び鈍化

●全体指数、前月比0.3%上昇―市場予想下回る

 米労働省が14日発表した8月のCPI(消費者物価指数)はFRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と、7月の同0.3%上昇を下回り、2月以来の小幅上昇となった。2カ月連続で伸びが減速し、市場予想の同0.3%上昇も下回った。

 前年比も4.0%上昇と2カ月連続で伸びが鈍化し、市場予想の4.2%上昇を下回った。市場ではインフレ加速がピークアウトし、今後1年間でインフレ率は伸びが鈍化するとの見方が広がってきた。FRB(米連邦準備制度理事会)の量的金融緩和(QE)の年内縮小開始の発表がやや遅れる可能性が出てきたとの見方もある。

 労働省は8月の伸びが鈍化したことについて、航空料金と中古車、自動車保険が大幅に低下したことが主な要因だとしている。

 コア指数の前月比の内訳は、新車が1.2%上昇、病院が0.9%上昇、自動車修理が0.8%上昇と、高い伸びとなった一方で、航空運賃が9.1%低下(7月は0.1%低下)と大きく低下したほか、中古車(乗用車とトラック)は1.5%低下と6カ月ぶりに低下に転じ、自動車保険は2.8%低下と、7月(2.8%低下)と同じ低下となった。コモディティ(国際相場商品)は0.3%上昇と、7月の0.5%上昇から鈍化した。

 CPIの構成ウエートの約3分の1を占める「シェルター」価格(家賃・宿泊費)は、帰属家賃(OER、持ち家でも借家と同様に住宅サービスを受けているとして家賃で評価したもの)が0.3%上昇(7月も0.3%上昇)となった一方で、ホテル宿泊料が3.3%低下(7月は6.8%上昇)となったため、全体で0.2上昇(7月は0.4%上昇)に減速した。

 全体指数(季節調整後)は前月比0.3%上昇と、7月の0.5%上昇を下回り、市場予想の0.4%上昇も下回った。

 エネルギーのうち、ガソリンは前月比2.8%上昇と、7月の2.4%上昇を上回ったが、重油は2.1%低下と、7月の0.6%上昇から急減速した。ただ、電気・ガス料金が上昇したため、エネルギー全体では2.0%上昇と、7月の1.6%上昇を上回り、3カ月連続で伸びが加速した。

 食品は前月比0.4%上昇と、7月の0.7%上昇を下回った。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は0.4%上昇と、7月の0.8%上昇を下回った。自宅調理用の食品も0.4%上昇(7月は0.7%上昇)となり、伸びが減速した。

 全体指数の前年比は5.3%上昇と、7月と6月の5.4%上昇を下回り、市場予想の5.4%上昇を下回った。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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