<新興国eye>ブラジル中銀、政策金利を1ポイント引き上げ6.25%に―次回も同率引き上げ示唆
2021/9/24 9:20
ブラジル中央銀行は22日の金融政策決定委員会で、最近の急速なインフレ上昇を受け、期待インフレの上昇ペースを抑制するため、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を1.00ポイント引き上げ、6.25%にすることを全員一致で決めた。市場予想通りだった。
中銀はインフレの急加速を受け、20年3月会合で15年7月以来、5年8カ月ぶりに利上げに転換。5月と6月は各0.75ポイント、前回8月会合では1.00ポイントの大幅利上げを実施した。今回の同率利上げを含めると、3月以降の利上げ幅は計4.25ポイントとなる。
中銀は会合後に発表した声明文で、「インフレ率は依然高い伸びとなっている。工業製品の物価はサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)やインプット価格(生産者物価)の上昇などで沈静化していない。また、活動再開が進み、サービスセクターで急速なインフレ加速が続いている」とし、追加利上げに踏み切った。
その上で、「追加利上げは金融政策が波及する一定の期間内(22年と23年の一部を含む)にインフレ率が物価目標に収束させる見通しと合致する。物価の安定の目標を損なうことなく、雇用の最大化と経済変動の抑制に寄与する」と前回会合時の文言を残した。
最新の8月のIPCA(拡大消費者物価指数)は前年比9.68%上昇と、7月の同8.99%上昇から急加速している。中銀は今回の会合で、標準シナリオのインフレ見通しを21年は8.5%上昇(前回会合時は6.5%上昇)、22年は3.7%上昇(同3.5%上昇)と、いずれも引き上げた。23年は3.2%上昇(同3.2%上昇)と、据え置いており、21年が一時的に急加速すると見ている。
今後の金融政策については前回会合時と同様、「次回会合では今回の利上げ決定と同規模の調整を予想している」と追加利上げの方針を示唆した。中銀の標準シナリオでは政策金利の見通しは21年と22年が7%、23年は6.5%と予想している。
次回の金融政策決定会合は10月26-27日に開かれる予定。
<関連銘柄>
ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、
上場EM債<1566.T>
提供:モーニングスター社
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