【米国株動向】ショッピファイとイーベイ:eコマース銘柄で投資妙味があるのはどちら?

世界最大級のオンラインオークションサイトを運営するイーベイ<EBAY>とeコマースサイト構築ソフトウェアのショッピファイ<SHOP>は、一見すると比較にならないと思われるかもしれません。

かつて人気を博したeBayのオンラインオークションサイトは他のeコマースサイトに浸食される一方、ショッピファイは競争に打ち勝ち株価は高値近辺で推移しているからです。

しかし、イーベイは新しい経営陣を迎え入れ、従来と異なるアプローチで2桁台の成長ペースを取り戻しており、株価も最高値を更新しています。

このような変化を考えると、イーベイの方がショッピファイよりも有利な投資対象となる可能性があるかもしれません。

ショッピファイ:他社との提携拡大とフルフィルメント業務への進出が奏功

ショッピファイのeコマースサイト構築ソフトウェアは、妥当な価格、使いやすいプラットフォーム、そして豊富なユーザーによって人気を高めています。

また、中国のバイトダンスが運営するソーシャルメディアTikTok(ティックトック)などとの最近の提携によって、売上高が押し上げられる可能性があります。

ショッピファイはフルフィルメント業務に進出するためショッピファイ・フルフィルメント・ネットワーク(SFN)を立ち上げました。

同社はもはや単なるソフトウェア会社ではなくなり、同業他社との競争から抜け出そうとしています。

SFNは注文処理センターを増やし、顧客からの注文を受けて商品を包装、配送することができます。

eコマースは商品の配送に大きく左右されるため、SNFはショッピファイのプラットフォームを選ぶ理由になると思われます。

SNFの寄与もあり、ショッピファイの2021年上半期の売上高は前年同期比78%増の21億ドル、純利益は1億900万ドル(前年同期は500万ドル)でしたが、未計上の未実現投資利益も20億ドル発生しています。

同社は売上原価と営業費用の伸びを増収率よりかなり低く抑え、損益を黒字化しました。

ただし、同社は今後の成長率が2020年に比べて鈍化すると予想し、ガイダンスを公表していません。

しかも、株価が年初来48%上昇したため、株価売上高倍率(PSR)は約50倍に上昇しています(本稿執筆時点)。

これはアマゾンの4倍、イーベイの5倍を大きく上回っています。

イーベイ:プラットフォームを改良して高い成長率を取り戻す

一方イーベイには、PSRの低さ以外にも、投資家が注目する理由があります。

その1つは、ウォルマートのeコマース部門で業績を向上させたジェイミー・イアンノーネ氏が最高経営責任者(CEO)として2020年4月にイーベイに復帰したことです。

イアンノーネ氏は、イーベイのプラットフォームをよりユーザーフレンドリーなものにするため、いくつかの変更を実施しました。

例えば、買い物かごに商品を追加するのに必要なステップを減らすとともに、商品ピックアップ用のQRコードを追加しました。

また、モバイル機器に店舗を表示できるようにしたほか、検索ツールを改善するためのフィルタリング機能の追加や、売り手が販売を一元化するとともに買い手が多彩な支払い方法を利用できるマネージド・ペイメンツを導入しました。

こうした改善はパンデミック下での成功につながり、純利益は2019年の前年比5%増に対して2020年は同25%増に跳ね上がりました。

2021年上半期の売上高は前年同期比28%増の53億ドルとなりました。

ただし、第1四半期が同42%増だったのに対し、第2四半期は同14%増に減速しました。

2021年上半期の利益は、非継続事業からの105億ドルの利益を除くと8億6,200万ドルとなり、前年同期の11億ドルから減少しました。

これは2021年に支払利息が増加して利益を押し下げたためです。

実店舗が再開する中、大半のeコマース企業の増収率は既に鈍化、または今後鈍化する見通しですが、イーベイの増収率は2019年の1%を引き続き大きく上回っており、現在の成長がほぼ持続可能であることを示唆しています。

以上のような改善を背景に、株価は年初来42%上昇して過去最高値に達しました。

しかし、現在のPSRが過去と同水準にあることを考えると、現在の株価には業績の向上が十分には織り込まれていないと思われます。

イーベイがパンデミックの影響とは無関係に成長を維持できると想定すれば、株価は容易に高値を更新する可能性があります。

ショッピファイとイーベイのどちらに投資すべきか?

バリュエーションはイーベイがお買い得であることを示しています。

とはいえ、ショッピファイの増収率がイーベイの4倍であることからすると、奇妙に思われるかもしれません。

それでも、ショッピファイのPSRはイーベイの10倍以上です。

しかもイーベイの2021年上半期の売上自体はショッピファイの約2.5倍でした。

したがって、ショッピファイの売上水準が近い将来にイーベイに追い付くとしても、イーベイは今後も新しい投資家を引き付け、eコマース業界で大きな力を維持することができるでしょう。

https://www.morningstar.co.jp/redirect/kabushiki_210122.htm

※この記事はモトリーフールジャパンからの許諾を受けて掲載しており、著作権は情報提供元に帰属します。

(イメージ写真提供:123RF)

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