「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」への資金流入が増加、パフォーマンス好転
2021/9/29 17:31
三菱UFJ国際投信の「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」(愛称:健次)への純資金流入額が足元で増加している。2021年は、1月から7月までの7カ月のうち3月を除く6カ月で純資金流出となっていたが、8月は147億円の純資金流入となった。9月も流入基調が続き、モーニングスター推計によると、29日までで200億円近い純資金流入となっている。パフォーマンスの好転も目立つ。
同ファンドは、日本を含む世界主要先進国のヘルスケア・バイオ関連企業の株式に投資する。具体的には、医薬品製造・開発の『製薬』、遺伝子技術に基づく治療薬開発などを手掛ける『バイオテクノロジー』、医療機器製造・開発の『医療製品』、病院経営や医療保険などの『医療・健康サービス』に関連した企業の株式に投資する。実質的な運用は、米国のウエリントン・マネージメント・カンパニーが手掛ける。21年8月末時点のポートフォリオ組入銘柄数は75銘柄。国・地域別上位はアメリカ63.5%、日本6.1%、スイス5.1%、組入銘柄上位は米『ユナイテッドヘルス・グループ』6.2%、米『イーライ・リリー』5.6%、米『ファイザー』4.8%となっている。
21年8月末時点の過去1年間のトータルリターンは22.27%とモーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均の32.08%を9.81%下回り、カテゴリー内下位17%(302本中251位)と低調。ただ、前半(2021年2月までの6カ月間)と後半(2021年8月までの6カ月間)に分けてみると、対照的な動きとなる。
前半のトータルリターンは3.73%とカテゴリー平均の17.31%を13.59%下回り、カテゴリー内下位6%(325本中308位)。後半のトータルリターンは17.88%とカテゴリー平均の12.56%を5.32%上回り、カテゴリー内上位17%(327本中53位)となった。前半は、新型コロナワクチンの開発や接種の進展を受けた景気回復期待から世界的に株価が上昇する中で後れを取ったが、後半は大幅に切り返した。好決算を発表したヘルスケア企業の株価上昇や米国での新型コロナワクチン正式承認を受けたファイザーの株価上昇のほか、米金利上昇などで景気の先行き不透明感が広がる場面ではディフェンシブセクターとして選好された側面もあったとみられる。
提供:モーニングスター社
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