HCH、新子会社取得でコンサルティング領域を強化

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2021/10/5 9:42

 ヒューマンクリエイションホールディングス(=HCH、7361・M)が、システムコンサルティングおよびシステム設計・開発を手掛けるヒューマンベース(大阪府大阪市)の100%子会社化を完了した。

最終工程まで一気通貫の強みを活用し受注増

 同社は100%出資子会社4社を束ね、システム開発の最上流工程であるコンサルティングから、最終工程である保守・運用まで、一気通貫で全工程に対応できるIT企業グループであり、今回のヒューマンベースの子会社化で5社目を手中にした形だ。コンサルティング・システム受託分野と、エンジニア派遣に特化した技術者派遣分野の2本立てで事業を展開し、高収益および高稼働を両立していることも特徴の1つだ。

 現在、業界・業種を問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)化が加速し、システム開発のニーズが拡大中。その中で、同社はコンサルティング・上流工程の強化を中心戦略に据えており、今回のヒューマンベースの子会社化によりその戦略スピードが格段に向上する見通しだ。

 今後、ヒューマンベースのノウハウ、顧客基盤を取り込むとともに、同社グループの顧客基盤の活用、エンジニア採用・教育強化などシナジー(相乗)効果を追求していく。これにより、幅広い業界に対するコンサルティング・上流工程領域の拡大を図り、より利益率の高いシステム開発案件の獲得を目指す構えだ。

 また、同時にコンサルティング子会社のアセットコンサルティングフォース取締役だった野田恭央氏が、開発子会社であるシー・エル・エスの社長に就任する人事も発表した。これは、シー・エル・エスが今後、システム開発においてさらに上流工程領域寄りの事業に注力するためで、このこともコンサルティング・上流工程領域の強化につながりそうだ。

 「お客様ご自身が気付いていない状況であったとしても、当社グループのコンサルティングによって真の経営課題を抽出し明確にすることで、お客様が求めている以上の答えを出す。そうした実績の積み重ねが信頼を獲得し、さらなる受注増に結び付いていく」(富永邦昭社長)という。

 実際、このような事例が金融大手や政府系企業における案件でも数多く存在しているようだ。最上流工程から最終工程まで、決して他社へ委ねることなく責任を持ってシステム開発を行う同社グループの一気通貫体制が顧客に与える安心感を最大活用し、受注を積み重ねているもよう。

 同社のコンサルティング・上流工程の事業は2本柱の1つとして既に成長が加速しており、前2021年9月期は過去最高益が計上できるほどの状況で、第3四半期累計の段階で売上高構成比は約11%となった。同社はより利益率の高いシステム開発案件の獲得を進め、中期的に同分野の売上高構成比を20%にまで引き上げる方針だ。ヒューマンベースの子会社化がその要因の1つになろう。

(写真:123RF)

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