大きく伸びている半導体ETFの構成銘柄から読み取く、高成長半導体銘柄4選

現在世界的な半導体不足の中で半導体セクターは大きな伸びを見せています。

本記事ではそうした原因を分析しながら、大きな伸びを見せている「ヴァンエック・半導体ETF」の上位銘柄である台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング、エヌビディア、ASMLホールディングス、アナログ・デバイセズについて詳しく見ていきます。

世界的な半導体不足

現在世界的に需要が急拡大しており、2020年秋ごろから1年ほど供給不足が続いている状態となっています。

半導体がよく使われるパソコン、自動車、ゲーム機、家電といった私たちの日常に不可欠な製品の多くで品薄が続いており、納期が大幅に遅れているほか減産も相次いでいます。

このことの原因としては、供給のひっ迫と需要の急拡大があります。

より詳しく見ていくと、製造工場の老朽化や、ロックダウンによる工場の操業停止などコロナ禍によるサプライチェーンの停滞、さらに米中摩擦による禁輸、災害や事故といった多くの要因が複雑に重なり供給が不足し、またそれに追い打ちをかけるようにテレワークの拡大などコロナ禍の影響でスマホ、パソコン、テレビ、自動車などの需要が急拡大したのです。

生産がとにかく追いついておらず、そのため各国は半導体業界に対して経済支援策を打ち出しており、特に米バイデン政権では500億ドル規模の半導体産業投資を含む法案に同意しています。

中にはそうした追い風を受けて設備投資計画が進んでいる企業も存在します。

作った分だけ売れる、ともいわれる現在の半導体市場は非常に強気市場となっており、それは2022年も続くと言われています。

来年の世界半導体市場規模は今年から8.8%増加した約5,734億米ドルとも予測されており、需要は拡大し続けるとも言われています。

ヴァンエック・半導体ETFについて

そうした現在伸びが期待されている半導体セクターに投資できる上場投資信託がヴァンエック・半導体ETFです。

時価総額と流動性の高い半導体セクター25銘柄に投資できます。

銘柄は少ないですが、下位15銘柄で34%のシェアとなっており、偏りは大きくありません。

米国企業が8割近くを占めています。組み入れ上位銘柄は以下のようになっています。

〇台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング…13.90%

〇エヌビディア…10.82%

〇ASMLホールディングス…6.87%

〇アナログ・デバイセズ…5.72%

〇アドバンスド・マイクロ・デバイセズ…5.39%

〇ブロードコム…4.88%

〇クアルコム…4.88%

〇テキサス・インスツルメンツ…4.65%

〇インテル…4.52%

〇アプライド・マテリアルズ…4.16%

このETFの特徴は何と言っても圧倒的に高いリターンです。

5年間のリターンでは+300%ほどとなっているほか、年率リターンも1年で65%、3年で38%、5年で34%となっています。

これはNASDAQを圧倒しています。

コロナショックにおいてもS&P500と同程度の下落幅、回復期間となっており、ある程度防御力の指標として参考になるかと思います。

本記事ではさらにこの優れたETFでも大きな割合を占める上位銘柄を個別に詳しく見ていきます。

台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング

TSM<TSM>は1987年設立、台湾の半導体ファウンドリーメーカーです。

集積回路と半導体デバイスの製造、販売、実装、検査、組み立てなど総合的に取り扱っています。

優れた技術力で世界のトップを走っており、インテルやルネサスといった自前の製造能力をもつメーカーからも製造を請け負っているほどです。

今年7月に発表された2021年第2四半期決算では、売上高が前年同期比19%増の132億8,900万ドルとなり過去最高を記録し、また営業利益も11%増の52億100万ドル、純利益も11%増の48億200万ドルとなっています。

これは先ほど紹介したような半導体業界全体の動向に漏れず、ハイパフォーマンスコンピューティングや自動車関連の需要が好調だったことによります。

営業利益率については全四半期に比べると若干低下していますが、売上高は第3四半期にさらに増加するガイダンスとなっています。

執筆時点で時価総額は5,997億ドルとなっています。

2021年1月~2月には140ドルほどの高値を記録していましたが4月以降下落し、現在は110ドルほどで推移しており、執筆時点で115.64ドルとなっています。

現在伸び悩んでいるTSMですが、こうした状況において握り続けることができるかどうかがカギとなりそうです。

今後この半導体業界の中でこのメーカーがどのような立ち位置となるのか注目していきましょう。

エヌビディア

NVDA<NVDA>は1993年設立の米国カリフォルニア州に本社を置くIT・通信会社です。

グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)の技術提供を中心にPC用グラフィックプロセッサ「GeForce」、ワークステーション向け「Quardo」、モバイル通信向け「Tegra」など、非常に高性能なグラフィック技術で知られています。

そのほかAIにも力を入れており、同社の「CUDA」というライブラリはディープラーニングの盛り上がりの中で注目されてきました。

執筆時点で時価総額は5,502億ドルと大きな規模を誇ります。

そんなNVDAは2020年、2021年非常に大きく成長した企業です。

2019年、2020年には80%・119%の株価伸び率を記録しました。

2021年でも2021/1/4では株価131.1ドルでしたが、2021/9/24では68%ほど上昇した220.84ドルとなっています。

8/18に発表された2022年度第2四半期決算によると、売上高は前年同期比68%増の65億ドル、営業利益は前年同期比275%増の24億ドル、純利益は前年同期比282%増の24億ドル、EPSは前年同期比276%増の0.94ドルとなっており、いずれもすさまじい増加率となりました。

いずれも市場予想を上回るものとなり、さらにガイダンスもアナリストの予想を上回っていました。

これだけの企業規模を誇りながら、これだけの結果を残すことのできる企業はなかなかありません。

グロース株の筆頭として挙げられることも多いNVDAの止まることのない成長に今後も期待が高まります。

ASMLホールディングス

ASML<ASML>は1994年オランダにて設立されたIT・通信企業です。

半導体製造装置を製造しており、子会社を通じて半導体企業向けにリソグラフィ装置(露光機とも。半導体製造において基盤に回路パターンを転写する装置のこと)の開発、製造、販売を世界的に手掛けています。

この装置において売上高ベースでは世界シェア8割を獲得しているともいわれており、この業界では最大手となっています。

ASMLの時価総額は3,591億ドルとなっています。

業績は売上、利益ともに成長を続けているほか、自己資本比率も25%と収益性が高いことも魅力的です。

そして多くの例に漏れず、2020年から特に大きな成長を遂げており、2020年の頭には300ドルほどだった株価も2021/9/25の時点で879.78ドルとなっています。

現在半導体業界では回路の微細化競争がさらに厳しくなっており、そんな中でも同社の紫外線を用いた装置は最先端を行っていると評価されています。

さらに競争が激化していけば同社の高い技術力によってさらに恩恵を受けることが考えられます。

アナログ・デバイセズ

ADI<ADI>は1965年設立のマサチューセッツ州に本社を置くIT・通信企業です。

自動車、通信、コンピューター、家電にくけたアナログIC、デジタルシグナルプロセッサを設計、製造、販売しており、オーディオ用A/Dコンバータ、容量デジタルコンバータ、オーディオアンプを主力製品としています。

執筆時点で時価総額は959億ドルとなっています。

近年順調に成長を続けており、特に2020年度の後半では120ドルほどで推移していましたが、今年に入り150ドル、160ドルと徐々に値が上がり続け、2021/9/24現在178.53ドルとなっています。

先ほど紹介したSMHのなかでも近年割合が増加していることからもアナリストからの評価が窺えます。

まとめ

世界的に広がる半導体の需要増加と供給不足の中で半導体業界は大きな成長を遂げています。

今回紹介した企業はいずれも著しい成長を続けているだけでなく、市場全体が強気のなかで中期の成長も予測されています。

コロナパンデミックの様子も窺いながら、各国の半導体業界支援政策やさらなる設備投資が来るのかどうかといったことも気にかけながら、この業界にさらなる注目を続けていきたいところです。

https://www.morningstar.co.jp/redirect/kabushiki_210122.htm

※この記事はモトリーフールジャパンからの許諾を受けて掲載しており、著作権は情報提供元に帰属します。

(イメージ写真提供:123RF)

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