<新興国eye>前週の上海総合指数、電力供給不足とインフレ加速懸念で反落=BRICs市況

新興国

2021/10/18 10:24

 前週(11-15日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで反落した。15日は3572.366(8日終値比0.55%安)だった。

 週明け11日の指数は小反落して始まり、12日は急落し、続落。

 11日は、国家発展改革委員会(NDRC)が民営企業による新聞やテレビ、出版、ネットニュースへの市場参入を禁止する案を発表したことを受け、政府の取り締まり強化への懸念が嫌気された。ただ、政府が深刻な電力危機と石炭不足に対処するため、石炭の増産を指示したことを受け、石炭関連株が買われたため、指数は下げ渋った。

 12日は、電力不足による電力消費制限が続いていることやインフレ加速懸念が一段と強まり、売りが加速した。

 13日は反発。政府が追加景気支援策を打ち出すとの期待が強まったことや、9月貿易統計で輸出が市場予想を上回る強い伸びとなったこと、さらには電力不足や不動産大手の中国恒大集団の債務問題への懸念が後退したことも相場を下支えした。

 14日は反落。前日引け後に発表された9月新規人民元建て融資や社会融資総量が予想を下回ったことや、9月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回りインフレ懸念が強まったことなどが売り材料になった。

 週末15日は反発。燃料炭の先物価格が過去最高値を付けたことを受け、石炭セクターが急伸し、上げを主導した。政府による追加景気支援策期待も相場を押し上げた。

 今週(18-22日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ株感染状況、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では電力供給不足問題や景気対策、人民元相場、原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は18日の7-9月期GDP(国内総生産)と9月鉱工業生産、9月小売売上高、1-9月都市部固定資産投資、20日の9月住宅価格指数など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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