配当貴族の中でも配当安全性が極めて高い5銘柄

配当を通してインカムを増やしていきたい、という個人投資家や配当による収入で早期退職をプランニングしている投資家も少なくありません。

配当株投資は高い利回りの配当を出す企業に投資をすればいいというわけでなく、できるだけ長期に渡って配当を支払う企業に投資する必要があります。

その中でも、より安定したインカムを得るために配当実績と競争優位性のある配当貴族銘柄が注目されています。

今回はその配当貴族の中でも、配当の安全性があり将来に渡って配当の伸びしろがある企業をご紹介します。

A.O.スミス

A.O.スミス<AOS>はウィスコンシン州に本社を置く、家庭用や事業用にボイラーや給湯器の製造・販売を展開するグローバル企業です。

給湯器やボイラー事業はパッとしない事業かもしれませんが、AOスミスの給湯器は米国、中国共にシェア1位を誇ります。

配当データのサマリーは下記の通りです。

・増配年数:27年

・配当性向:37%

・直近1年の増配率:8.3%

・直近5年の増配率:21%

・直近10年の増配率:22%

・5年間の配当利回り:1.56%

AOスミスの事業は約7割が北米、他3割が中国をはじめとした他国からの売上です。

中国での売上高の存在感が増してきていることから、中国との関係性や、中国の経済状況に株価が左右されやすい傾向にあります。

ただ給湯器は一定の需要があるため今後の安定したキャッシュフローと配当の安全性を確保できると言えるでしょう。

2021年の決算ではフリーキャッシュフローに対して配当は56%と十分に賄えています。

さらに調整後EPSは0.73ドルに対して、DPS(1株当たりの配当支払額)は0.26ドルと余力もあります。

今年の事業は好調で、2021年通年の収益ガイダンスを1株あたり2.70~2.76ドルの範囲に変更し、以前のガイダンスから5%の見通しを増加させました。

サプライチェーンの混乱による逆風を受けつつありますが、サプライヤーとの密接な連絡を取りあい状況を素早く理解することでこの困難を乗り越えていくとしています。

ネクステラ・エナジー

ネクステラ・エナジー<NEE>はフロリダ州に本社を置く大手クリーンエネルギー企業です。

フロリダ州を中心に事業を展開しており、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの発電量は米国最大です。

配当データのサマリーは下記の通りです。

・増配年数:25年

・配当性向:60%

・直近1年の増配率:10%

・直近5年の増配率:13%

・直近20年の増配率:9%

・5年間の配当利回り:2.50%

ネクステラ・エナジーはクリーンエネルギー関連に投資を行う際、有力な候補になる企業の一つです。

公益企業ながらも株価は順調に成長しており、5年前の2.7倍となっています。

また業界の中では配当利回りは高くはないですが、競合に比べ配当性向は低く、配当余力も残されています。

23年までは調整後EPSを年率6-8%で成長すると見込んでいます。

さらにはDPSを2023年まで年率約10%で成長させることを示唆しています。

電力業界の安定性と、クリーンエネルギー事業の成長性の2つの面をもつネクステラ・エナジーは魅力的な投資対象の一つと言えます。

ホーメル・フーズ

ホーメル・フーズ<HRL>は米国の大手食肉メーカーです。

スキッピーピーナッツ、スパムといった多数のブランドを保有しています。

同社は生肉やチルド肉といった生鮮肉が収益の約6割を占めています。

缶詰や加工食品は2割ほどです。

配当データのサマリーは下記の通りです。

・増配年数:54年

・配当性向:61%

・直近1年の増配率:5.4%

・直近5年の増配率:13%

・直近20年の増配率:13%

・5年間の配当利回り:2.01%

スパムは日本のスーパーでも馴染みの深い商品です。

ただし、ホーメル・フーズの売上の9割は北米で発生しており北米の購買力が同社の売上を支えています。

保有するブランド少数精鋭で、収益性を向上するための選択と集中を行い、生産コストの削減と広告による消費者への認知に力を入れています。

その結果、多数のブランドでその分野のブランド1.2位を獲得しています。

増配年数は54年で配当王となっています。

さらに同社は1928年以来、配当を絶やすことなく投資家に還元してきました。

同社の強固なブランド力、バランスシート、不況への耐性、継続的な配当成長を考慮すれば長期保有に適した銘柄と言えるでしょう。

アフラック

アフラック<AFL>はジョージア州に本社を置く健康保険や生命保険を提供する保険会社です。

日本でも一度は名前は聞いたことのある保険会社でしょう。

事業は日本とアメリカの2つの地域で展開されています。

配当データのサマリーは下記の通りです。

・増配年数:38年

・配当性向:22%

・直近1年の増配率:18%

・直近5年の増配率:7%

・直近20年の増配率:14%

・5年間の配当利回り:2.33%

アフラックは増配年数が38年と実績があるにも関わらず、配当性向はわずか22%しかありません。

さらに過去の配当性向を見ても25%前後で推移しており毎年配当を成長させているにも関わらず、配当性向が増えていません。

また同社はコロナ禍においても事業の底堅さを見せ、2020年の売上高は2019年と-1%とほぼ変わりませんでした。

2021年の第二四半期の決算では、「38年間の配当実績を重んじ、これからも資本とキャッシュフローの拡大をしていくことを約束します。」と述べています。

これからもアフラックは強力なキャッシュフローと事業基盤で長期保有する投資家に利益をもたらしていくでしょう。

ジョンソン・エンド・ジョンソン

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>はニュージャージー州に本社を置く世界最大規模の大手ヘルスケアメーカーです。

小売りの医療品から、医療機器、診断など様々なヘルスケアで様々な事業を手がけています。

配当データのサマリーは下記の通りです。

・増配年数:58年

・配当性向:45%

・直近1年の増配率:5%

・直近5年の増配率:6%

・直近20年の増配率:10%

・5年間の配当利回り:2.64%

増配年数は58年で配当王の銘柄でもあります。

配当性向は45%と低く配当余力も十分にありますが、加えて現預金等と有価証券を約250億ドル持ち、財務健全性も極めて高いです。

4-6月期の決算は売上高、EPS共に予想を上回る好調な決算で、2021年の売上高予想を上方修正しました。

同社は新型コロナウィルスワクチンの緊急使用を米保険当局(FDA)に承認されており。

コロナウィルスワクチンの売上高は4-6月期で約1億6千万ドルでした。

ただし全体の売上高は233億ドルです。

ワクチンの売上高の比率はあまり大きくないことから、コロナワクチンの動向と同社の業績を紐づけることは気にしすぎなくても良いかもしれません。

同社の配当利回りは特段高いわけではありませんが、長期保有で配当と株価の着実な上昇によって恩恵を受けられるでしょう。

まとめ

配当貴族の中でもさらに配当の安全性の高い企業を5つ紹介してきました。

どれも素晴らしい企業でどの銘柄に投資をしても大きく失敗する可能性は低いと考えられます。

この中でも配当利回りを求めるのならネクステラエナジー、ジョンソン・エンド・ジョンソンが有力になるでしょう。

また下記レポートにてリタイア向けの個別配当株を、下記の記事では配当貴族株、配当利回り10%超の銘柄、配当成長銘柄の観点から一銘柄ずつピックアップし解説しています。

リタイア計画のためのポートフォリオ作りに是非参考にしてみて下さい。

https://www.morningstar.co.jp/redirect/kabushiki_210122.htm

※この記事はモトリーフールジャパンからの許諾を受けて掲載しており、著作権は情報提供元に帰属します。

(イメージ写真提供:123RF)

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