ランディックス「不動産取引効率化で高い利益率を実現」=岡田和也社長に聞く(2)

株式

2021/11/16 10:41

 ランディックス<2981.T>は富裕層を対象に、住宅用物件を中心とした不動産事業を行っている。東京の城南エリア(世田谷区、目黒区、大田区、渋谷区、港区、品川区)を中心として、注文建築事業者と消費者のマッチングプラットホーム運営、不動産の売買・仲介、既存顧客へ向けた収益用不動産の販売を含めた一気通貫サービスを展開する。顧客データの蓄積・活用で、不動産取引の効率化を図っており、高い在庫回転および利益率を実現している点が特徴。同社の現状と今後について岡田和也社長に聞いた。

 (1)からつづく

 ――業績が好調ということでしたが、直近の事業環境はいかがですか。

 「国土交通省が発表した21年の地価公示価格によると、東京都は新型コロナウイルス感染拡大の影響で対前年平均変動率が8年ぶりにマイナスとなりました。しかし、港区と目黒区についてはプラスとなっています。また、全体でも商業地と比較して住宅地の価格は微減にとどまっており、住宅ニーズの根強さが分かります。今後、新型コロナの影響が薄れていけば、港区を中心に、当社の主要営業エリアである城南地区の不動産市況は上昇に向かう可能性が高そうです。当社にとって、事業環境は好転しつつあるといえます」

 「一方、新型コロナの影響で家にいる時間が長くなるなど生活習慣が変化し、自宅での生活をより豊かにしたいというニーズが高まっています。社会生活が大きく変化し、こうした状況はアフターコロナでも変わることはないでしょう。さらに、家を買うことの選択肢は案外少ないですが、当社の『sumuzu Matching』を利用して注文住宅を建設すれば選択肢が多くなり、家づくりをより楽しむことができます。当社は建物完成までを一貫してサポートしており、顧客満足度は高く、今期の第1四半期では口コミ、紹介、リピートによる成約は約30%になりました。富裕層向け収益用不動産事業にも注力し、注文住宅など既存顧客のリピートで効率的な販売が可能となっている点も強みです」

 ――将来のビジョンをお話しください。

 「中期的に主軸となるのは、富裕層顧客にフォーカスした不動産事業です。既存事業に関しては富裕層顧客向けの営業ノウハウを生かして既存エリアのシェア拡大とエリア拡大を進めていく計画で、既に文京区をターゲットとした事業を開始しており、事業エリア拡大のための拠点として21年末には東京・目黒に本社ビルが完成します。また、既存の富裕層顧客へのクロスセルを狙った収益物件販売を次の成長領域と位置づけており、仕入が順調に進んでいます」

 「当社の事業特性として、非常に高い成約率が見込める紹介・リピート顧客が多い、ということがあげられます。それは、住宅というものがお客様の人生にとって最も重要な選択であり、その決断にあたって高い信頼を積み重ねてきた実績が今の当社を形作っているということです。創業以来蓄積してきた厚い顧客層が当社の最大の優位性であり、東京の城南エリアを中心とした不動産マーケットにおける知名度、金融機関や事業者との強固な関係性が当社の事業基盤となっています」

 「「sumuzu Matching」によってより多くの方へ注文住宅建築の機会を広げる」というプラットホーム事業のミッションがありますが、さらなる飛躍へ向けて、新市場区分においては、中期的な時間軸でプライム市場を目指して行きます」

提供:モーニングスター社

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