新興市場相場アンケート:注目株=第5位・高度紙、田中化研、フルヤ金属、FRONTE、ENECHA

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2021/12/30 17:30

 株式新聞が市場関係者に聞いた2022年期待の新興市場上場銘柄アンケート5位は、ニッポン高度紙工業(3891・JQ)、田中化学研究所(4080・JQ)、フルヤ金属(7826・JQ)、FRONTEO(2158・M)、ENECHANGE(4169・M)の5銘柄が4得点で並んだ。

EV関連2社

 高度紙、田中化研はいずれもEV(電気自動車)の電池関連として期待されている。トヨタ自動車(7203)がEV展開を本格化する方針を打ち出したことを背景に、21年もアルミ電解コンデンサー用セパレータの高度紙、リチウムイオン電池向け製品の田中化研がともに人気を集めた。

 地球温暖化を阻止するため、脱炭素化は世界的に大きな課題となっている。その解決策の一つがEVで、EV普及にはリチウムイオン電池の増産が必要とされ、その点で両社は今後も重要な役割を果たすことになろう。両社の業績には既に好影響が出ている上、2022年以降の業績拡大にもつながっていきそうだ。

成長トレンド

 フルヤ金属はスマートフォン向け電子部品製造に使うイリジウム製の結晶製造容器(るつぼ)、有機ELの発光材料の1次材料に用いられるイリジウム化合物、大容量ハードディスク向けルテニウム・ターゲットなどで圧倒的なシェアを持つ。半導体製造装置向け温度センサーも拡大中だ。

 22年はいずれの分野も引き続きニーズが大きく、さらなる成長が期待されよう。中でも、有機EL向け化合物を中心とした、電極向け貴金属化合物、精製・回収(リサイクル)などケミカル分野については、新設備の稼働もあってより一層の拡大が見込めそうだ。

AI関連中核

 FRONTEはデジタル・フォレンジック事業、eディスカバリ(電子証拠開示)事業で培った技術を基に、AI(人工知能)を活用したビッグデータ分析の発展に取り組み、現在では創薬、特許、学術論文など多彩な分野で事業を展開している。いまやAI関連の中核銘柄で、21年の株価は大化けした。

 最近でもAIレビューツール「KIBIT Automator」など同社AIを活用した事業の新展開が毎日のように発表されており、22年も既存事業分野の深耕、新分野への進出が期待される。人手不足、働き方改革を背景にAI活用のニーズが拡大する中で、同社はAIを使った高収益事業へのシフトを着実に進めていることから、将来的な高成長期待も大きい。

本格的拡大期

 ENECHAはプラットフォーム事業、データ事業を手掛け、現在はプラットフォーム事業を中心に高成長を続けている。プラットフォーム事業では日本最大の家庭向け電力・ガス切り替えプラットフォーム「エネチェンジ」を運営し、電気料金を安くしたい、クリーンな電力を使いたいというニーズをとらえ、利用は拡大中だ。

 さらに、22年春には電力データのAPIアクセスが第三者(電力小売事業者以外)に開放され、誰でも使えるようになる予定で、それを基に今後は効率的な電力使用を支援するデータ事業が本格的な拡大期を迎えそうだ。21年にはEV充電サービスも開始しており、EVの普及も追い風になろう。

(写真:123RF)

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