株式新聞・相場アンケート(注目テーマ)――「脱炭素」や「半導体」が人気
2022年に市場関係者が有望視する注目テーマ(複数回答可)は、「脱炭素」が2ケタの14票を集めて1位になった。なお、再生可能エネルギーをはじめとする環境関連の一部も、編集部判断でこのトピックスに一くくりにした。
CO2排出ゼロ目標へ、「EV」も上位
菅前首相が20年に欧米各国や中国に追随する形で、「50年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにする」とカーボンニュートラルの目標を掲げてから1年以上が経過した。その間、太陽光や風力発電などの再エネ分野を中心に企業の動きも活発になり、株式市場の有力な物色材料になってきた。
こうした流れが22年も継続するという見方が、マーケットには多いようだ。50年までのCO2(二酸化炭素)排出実質ゼロは実際に容易ではないため、環境政策を引き継いだ岸田政権が、各業界の取り組みを後押しする期待も大きい。アンケートでは、やはりカーボンニュートラルのカギを握る「EV(電気自動車)」も4位(7票)にランクインした。
2位は10票の「半導体」。こちらのテーマも関連株の上昇が目立っているが、市場では強気のスタンスが根強い。世界的なデジタル化と通信の高速化を背景にメモリーやロジックの潜在需要は大きく、経済安保の観点で国産化が目指される点も装置メーカーには追い風と考えられる。(画像クリックで拡大版にジャンプ)
「脱コロナ」に期待
3位は9票の「脱コロナ」。これにはリベンジ消費やリオープニング(経済再開)といった回答も含んでいる。足元では変異株オミクロンの台頭などもあり新型コロナウイルスは猛威を振るっているが、22年には一段落するとの意見が多かった。
人気急上昇中の「メタバース(巨大仮想空間)」がやはり5票でランクインし、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「値上げ(インフレ含む)」と並んで5位に付けた。複数票は自動車の「ばん回生産」「コーポレートガバナンス改革」「防衛」などが続いた。
なお、前回のアンケートで1位に選ばれたテーマは「EV・電動車」だった。実際にトヨタ自動車(7203)がEV展開に本格的にかじを切るなど話題は多く、電池関連銘柄の活躍も21年のハイライトの一つになった。2位の「DX」も中核銘柄のNTTデータ(9613)などが大きく上昇。3位だった「再生可能エネルギー・脱炭素」はより注目されるテーマになった。
(写真:123RF)
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