2022年は「寅」年、年間騰落率の平均は2.3%の上昇

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2021/12/31 9:00

 22年の干支は、「寅」年。相場格言では「寅千里を走る」と言われる。東京証券取引所が戦後に再開されて以降、「寅年」年の日経平均株価の年間騰落率(大発会から大納会までの終値ベース)は2.3%の上昇にとどまっている。一二支の平均上昇率の10.3%を下回り、上昇率では最も低く、実際には「走る」イメージとは違うようだ。(図表1、画像クリックで拡大版にジャンプ)

 「寅年」を展望する前に「丑年」の21年を振り返ってみたい。21年は、日経平均株価が2万7,200円台でスタートし、3月に3万円を回復。順調な出足となったが、8月には2万7,000円割れ寸前まで調整した。その後、衆議院議員選挙での自民党優勢との見方から、9月に3万600円台まで上伸。しかし、米国でのテーパリングの開始による金利上昇懸念や、新型コロナのオミクロン株の感染拡大懸念などから2万7,700円台に下落した。大きく上下し、相場格言にあるような「躓(つまづ)く」ことを繰り返すような相場となった。

寅

 22年の「寅」年は、十干十二支で「壬寅(みずのえとら)」の年。東京証券取引所が戦後に再開されて以降、「寅」年の日経平均株価の年間騰落率は、1950年が7.3%の下落で、前回「壬寅」だった1962年は0.3%の下落、1974年は10.4%の下落、1986年は42.4%の上昇、1998年は7.5%の下落、2010年は4.0%下落となっている。相場の上昇を勝ち、下落を負けとする勝敗では1勝5敗と分が悪く、干支別では、最も上昇率が低いこともあり、難しい相場展開となりそうだ。(図表2、画像クリックで拡大版にジャンプ)

 60年前の1962年の「壬寅」は、花王石鹸(現花王<4452.T>)が家庭用柔軟仕上げ剤「花王ソフター」(現ハミング)を、大正製薬(現大正製薬ホールディングス<4581.T>)がリポビタンDを発売。太平洋戦争後初の国産旅客機「YS-11」が完成。ローヤル(現イエローハット<9882.T>)、日本警備保障(現セコム<9735.T>)、米利商店(現コメリ<8218.T>)、井内盛栄堂(現アズワン<7476.T>)、第一精工(現エンプラス<6961.T>)、オリジナル設計事務所(現オリジナル設計<4642.T>)、大和冷機工業所(現大和冷機<6459.T>)、野水電化(現ツインバード<6897.T>)が設立された。米ケネディ大統領が、キューバ海上封鎖を表明し、米ソ対立が鮮明化した。

 1974年は、永谷園(現永谷園HD<2899.T>)が「あさげ」を、カシオ計算機(現カシオ<6952.T>)が「カシオトロン」、いすゞ自動車(現いすゞ<7202.T>)が「ジェミニ」を発売。セブン-イレブン(現7&iHD<3382.T>)が、東京都江東区に1号店を開店した。リード電機(現キーエンス<6861.T>)、大東産業(現大東建<1878.T>)、カナレ電気<5819.T>、王将チェーン(現王将フード<9936.T>)、フジ住宅<8860.T>などが設立された。

 1986年は、一般的に「バブル景気」の始まりの年とされ、日経平均株価が89年12月29日の史上最高値3万8,915円87銭に向けスタートした年。トヨタ<7203.T>が「スープラ」を、エニックス(現スクエニHD<9684.T>)「ドラゴンクエスト」を、富士写真フイルム(現富士フイルム<4901.T>)が「写ルンです」発売。ANA<9202.T>が国際定期便の運航を開始した。丸善石油、大協石油と石油精製会社のコスモ石油が合併しコスモ石油(現コスモエネH<5021.T>)が発足。ソ連(現ロシア)のチェルノブイリ原子力発電所で大規模な爆発事故が発生した。都競馬<9672.T>が、ナイター競馬を開催。WNIウェザ<4825.T>、省電舎(現SDSHD<1711.T>)、エレコム<6750.T>、共和レジャーシステム(現共和コーポ<6570.T>、情報企画<3712.T>、鉄道通信(現ソフトバンク<9434.T>)などが設立された。

 「寅」に関連する銘柄として、野球好きの人は「虎」の阪神タイガースから、阪急阪神<9042.T>やタイガーポリ<4231.T>を思い浮かべるだろう。連想ゲーム的な発想となるが、「オニツカタイガー」のアシックス<7936.T>、宅配「釜寅」を手がけるライドオンH<6082.T>、軽「トラ」ではスズキ<7269.T>、SUBARU<7270.T>、三菱自<7211.T>、マツダ<7261.T>、ダイハツをグループに持つトヨタ<7203.T>など。映画「男はつらいよ」の寅さんから松竹<9601.T>などもマークしたい。

(高橋 克己)

(写真:123RF)

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