<年末年始特集>資金フローにみる2021年の人気ファンド-際立つ米国株ファンドの存在感(1)

投信

2021/12/30 17:55

 2021年(11月までの累計)の国内公募追加型株式投信(ETF除く)への純資金流出入額は8兆258億円の純資金流入となった。モーニングスターの推計によると12月も24日までに8900億円余りの純資金流入となっており、通年では、2005年の8兆7163億円を上回り、モーニングスターの推計のある1998年以降で3番目の高水準となる可能性がある。けん引役は、米国など先進国の株式に投資するファンド。経済正常化期待を背景にした株高を受けて、資金流入ピッチが大幅に加速した。

―「国際株式型」が2年連続のトップ、流入超過額は前年から倍増―

 2021年の国内公募追加型株式投信への純資金流出入額(11月まで、ETF除く)をモーニングスター大分類別にみると、国際株式型が7兆3574億円の純資金流入となり、前年に続いて全10分類中でトップとなった。純資金流入額は前年(3兆5922億円)から倍増。全体の純資金流入額に占める割合は91.67%と圧倒的である。

 主要な株式インデックスの2021年12月27日までの年初来の騰落率を見ると、米国のS&P500が27.56%、ナスダック総合指数が23.14%、NYダウが18.61%の上昇となり、日本を除く世界の先進国の株価動向を示す「MSCI コクサイ・インデックス(米ドルベース)」は22.09%の上昇となった。日本も上昇したが、上昇率はTOPIX(東証株価指数)が9.60%、日経平均株価は4.49%に留まる。新興国の株価動向を示す「MSCI エマージング・マーケット・インデックス(米ドルベース)」は-5.38%と下落している。先進国、中でも米国の株価の好調ぶりが際立つ。ポストコロナ関連物色に沸いた前年に続き、コロナワクチンの接種進展による経済正常化期待を受けて、S&P500、NYダウ、ナスダック総合指数の主要3指数が断続的に過去最高値を更新する流れが続いており、国内投資家の関心を集めている。

―国際株式型カテゴリーが前年に続きトップ3を独占―

 大分類よりも細かい分類であるモーニングスターカテゴリー別で見ても、国際株式型の存在が際立つ。純資金流入額上位5カテゴリーを見ると、第1位-第3位、及び第5位を国際株式型のカテゴリーが占め、いずれも前年と同じ順位となった。

 トップは、日本を含む先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」で3兆2533億円の純資金流入、第2位は「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」で2兆6865億円の純資金流入、第3位は日本を除く先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」で8944億円の純資金流入、第5位は「国際株式・北米(為替ヘッジあり)」で3580億円の純資金流入となった。

提供:モーニングスター社

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