工作機械受注、22年は1兆6500億円の見通し――2年連続拡大へ
日本工作機械工業会(日工会)の稲葉善治会長(ファナック(6954)会長)=写真=は7日、2022年の工作機械受注が1兆6500億円前後となる見通しを明らかにした。1兆5500億円程度だったもようの21年から約1000億円増加する方向だ。
21年は日工会予想の1兆4500億円を上回り、2年ぶりに拡大に転じた。コロナ・ショックで落ち込んだ20年比では1.7倍となった。半導体製造装置向けや自動車の電動化関連のほか、風力発電設備などの再生可能エネルギー、5Gといった分野で工作機械の需要が旺盛に推移している。
過去最高だった18年(1兆8158億円)に次ぐ17年(1兆6456億円)に相当する水準を想定する22年も、良好な受注環境が見込まれる。部品不足や新型コロナウイルスの感染拡大、物流費高騰といった懸念材料も残るが、「それでも世界経済は回復傾向を強める」(稲葉会長)。生産現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れも、工作機械業界への好影響が期待されるという。
一方、単月の受注は21年10月以降、1500億円近いレベルが続いている。22年の日工会予想の単月平均は1375億円とやや弱く、「株式市場がこの点をどうとらえるかが焦点になる」(準大手証券のアナリスト)。日工会は21年の当初の受注見通しを1兆2000億円としており、結果的に9月に増額した予想も上ブレした。「22年も増額含みと考えれば悪くない数字」(同アナリスト)だ。
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