テクノスジャパン・吉岡隆社長に聞く

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2022/1/19 9:00

ERP×CRM×CBP、 顧客の経営・業務へのDXで成長力強化へ

 テクノスジャパン(=テクノスJ、3666)は、企業向け経営・業務システムにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進事業を展開しており、基幹システム(ERP)・顧客管理システム(CRM)・DX協調プラットフォームサービス(CBP)を組み合わせたITコンサルティングを強みとしている。今3月期は市場のDX需要拡大に伴い業績好調で、上期決算は大幅な増収増益を達成。同社の現状と将来について吉岡隆社長に聞いた。

 ――今期の上期決算は連結売上高45億8900万円(前年同期比15.0%増)、営業利益6億6600万円(同38.7%増)と好調でした。

 「DX推進に向けたデジタル需要と、新型コロナウイルス対策としてのデジタル需要への対応が求められる中で、国内・海外とも事業は好調に推移し、上期決算は従来予想の売上高42億9900万円、営業利益5億3200万円を上回って着地しました。特に海外子会社が好調で、全体の業績を押し上げています。業種別の売上構成比は『ハイテク・組立・部品』に『食品消費財』を加えた製造業が65%以上を占め、情報通信業も16%と伸びてきています。国別では日本が84.5%、米国が15.3%で、米国が特に好調です。通期予想の売上高87億5000万円(前期比6.7%増)、営業利益10億2000万円(同10.4%増)も十分に達成できる見通しです」

 ――日本企業の「デジタル化」に対する姿勢をどう見ていますか。

 「経済産業省の『DXレポート』で指摘されたように、日本にとってデジタル化は急務です。新型コロナをきっかけに、日本でもデジタル化が加速しています。それが表面的なデジタル化にとどまらず、DXとして、デジタルを活用した経営・業務改革を進めることができるのかが大切です。DXを推進する上で重要なのは、データを基盤にして業務プロセスを改善するサイクルを回し、業務改革を実施し続けることです。こうした方向性で社会のデジタル化が進むことが必要だと思います」

 ――その中で、御社の強みは何ですか。

 「1つ目は顧客基盤です。ERP、CRMのグルーバルリーダーポジションであるSAP社、Salesforce社のソリューションに自社オリジナルソリューションを組み合わせ、さらに当社のコンサルティング力と技術力、サポート力を融合します。そうしたトータルソリューションの提供により、グローバル企業のDXを継続的に支援させていただいています。2つ目は、1990年代のERP黎明(れいめい)期からの長年にわたり、お客様と積み重ねてきた経営・業務の現場の声が社内の知識として多く蓄積されていることです。それが、当社のコンサルティング力、導入方法論、社内外の人材育成につながっています。3つ目は、急速に変化するデジタル技術への対応です。クラウドソリューションや開発方法が進化する中で、クラウド化への対応やローコード開発にも力を入れています。また、ERP、CRMのグローバルリーダーポジションであるSAP、Salesforceとのビジネスをしっかり連動させ、トータルソリューション展開することもできます。これは当社の大きな強みとなっています」

 「世の中のクラウド領域は、常に変化しレベルアップしています。当社は独立系のITソリューション会社であり、さまざまなデジタルソリューションが出てくると想定されますが、当社のビジネスコアである『ERP×CRM×CBP』領域において相互付加価値を高められるソリューションを持った会社と組み、お客様、さらには業界のバリューチェーンまでも生産性が向上する取り組みを推し進め、お客様とともにさらなる事業拡大を目指します」

 ――将来の成長ビジョンを教えてください。

 「コロナ禍においても、企業向けの経営・業務システム市場は成長しており、この先も、長期的、継続的に高成長が見込まれています。そのような市場の中で、ERP、CRMに、当社の独自プラットフォームCBPを組み合わせて、トータルソリューションで、成長を目指していきます」

 「『企業内』システムの基幹であるERP、CRMビジネスの成長に、『企業間』システムCBP注文決済サービスを組み合わせることで、お客様にとって非常に重要な基幹システムを提供できると考えています。顧客価値として、『商流』『物流』『金流』が連携され、システム価値として、『クラウド』と『クラウド』が連携されることで、DXが推進されると考えております。短期的には企業間取引の高度化、中・長期的に企業の垣根を越えた『供給と需要』の最適化を進めます。こうした取り組みにより当社は、業界バリューチェーンのベストプラクティスをお客様に提案し、DX加速を支援します」

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