<新興国eye>前週のブラジル株、欧米株高やFRB議長発言を好感し5週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2022/1/17 10:20

 前週(10-14日)のブラジル株式市場は14日のボベスパ指数が前日比1.33%高の10万6927.8、週間ベースでは7日終値比4.10%高となり、5週ぶりに反発した。

 週明け10日の指数は3営業日ぶりに反落して始まった。ブラジル中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、22年実質GDP(国内総生産)見通しが前週予想の0.36%増から0.28%増に引き下げられたことなどが嫌気された。

 11日は反発し、12日も値を上げ、続伸した。

 11日は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が上院公聴会で、米経済の見通しに楽観的な見方を示したことを受け、米国の急激な金融引き締め懸念が後退し、欧米市場が堅調となり、ブラジル市場でも買い戻しが活発化した。また、原油高を受け、国営石油大手ペトロブラスと鉱山大手ヴァーレが急伸したことも指数をサポートした。

 12日は、米12月CPI(消費者物価指数)が前年比7.0%上昇と急伸したが、ほぼ市場予想通りだったため、早期利上げ観測が後退、買い安心感が広がった。

 13日は小反落。FRBによる保有国債の減額(市場放出)開始懸念や、FRB高官発言で米早期金融引き締め懸念が再び勢いを増したため、新興国からの資金流出懸念が強まった。

 週末14日は急反発。今後数カ月以内の米利上げ開始の思惑から、利上げで債務負担が増えるIT企業から恩恵を受ける銀行や輸出セクターに資金をシフトし始め、相場を押し上げた。

 今週(17-21日)の株式市場はオミクロン株感染拡大や、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、米早期金融引き締め懸念、国内の政治動向、社会保障の拡充に伴う財政規律問題も注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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