<新興国eye>トルコ中銀、予想通り金利据え置き―今後は政策効果見守る考え

新興国

2022/1/21 12:29

 トルコ中央銀行は20日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を14.00%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。

 中銀は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)からの景気回復に伴う急激なインフレ上昇を抑制するため、20年9月から利上げサイクルに入り、利上げ幅が20年だけで計10.75ポイントに達したため、21年4月から8月まで5会合連続で金利を据え置き、19年7月の19.75%以来、1年8カ月ぶりの高水準を維持した。しかし、それまでの利上げは行き過ぎたとして、21年9月会合で20年5月以来、1年4カ月ぶりに利下げに転換。前回12月会合で利下げは5会合連続、利下げ幅も5.00ポイントに達したことを受け、今回の会合で据え置きに転じた。

 中銀は会合後に発表した声明文で、現状維持を決めた理由について、「インフレ率は今後、(前年同期のインフレ率が高かったために低目の数値が出る)ベース効果に加え、物価と金融の持続的安定のために講じられた措置により、ディスインフレのプロセス(インフレの鈍化基調)が始まる」との認識を示した。

 中銀は前回の会合で、「インフレ加速は金融政策の制御を超えた供給サイドの要因であるため、利下げには限界があり、利下げ余地を使い切った」とし、利下げサイクルの打ち切りの考えを示していた。

 今後の金融政策の見通しについては、「経済指標がインフレの恒久的な低下(減速)を示し、中期的な5%上昇の物価目標が達成されるまで、利用可能なあらゆる金融政策ツールを使い続ける」としたが、「物価の持続的安定の基盤を築くため、すべての金融政策ツールはトルコリラを優先して、金融政策の包括的なレビューを行う」とし、今後はこれまでの金融政策の効果を見守る考えを示した。特に、レビューはインフレ加速要因となる通貨トルコリラの急落阻止に焦点を置くとしている。

 次回の金融政策決定会合は2月17日に開かれる予定。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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