<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ウクライナめぐる地政学リスクを嫌気し3週続落=BRICs市況

新興国

2022/1/24 9:55

 前週(17-21日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の21日終値が前日比3.36%安の1401.88、前週比では14日終値比5.65%安となり、3週続落した。

 週明け17日の指数は売り優勢で始まり、18日も値を下げ、4営業日続落。

 17日は、ロシア軍のウクライナ侵攻懸念が強まり、旧ソ連時代の米ソ冷戦が再現されるとの思惑で欧米市場が下落したことが嫌気され、ロシア市場でも売り優勢となった。

 18日は、地政学リスクの高まりでブレント原油先物が1バレル=87.5ドルと急騰したものの、ウクライナ情勢への懸念が一段と強まり、ロシア株はパニック売りが広がった。国営石油大手ロスネフチや金融大手ズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)などの優良株が軒並み10%超急落した。

 19日は反発し、20日も値を上げ、続伸。

 19日は、連日の相場急落を受けて買い戻しが入り、ロスネフチや国営天然ガス生産・供給大手ガスプロム、ノリリスク・ニッケル、ポリメタルなどが急騰し、指数の上げを主導した。ロシアとウクライナの緊張激化をめぐり、米ロ外相会談が開かれる見通しとなったことなども支援材料となった。

 20日は、週末の米ロ外相会談による緊張緩和期待に加え、原油先物価格が89ドルを超えたことが好感された。

 週末21日は反落。米ロ外相会談が開かれ、米国側が近いうちにロシアの国土安全保障を約束する文書を提出することで合意し、協議継続となったことを受け、材料通過で手じまい売りが優勢となった。

 今週(24-28日)のロシア市場は引き続き、オミクロン株の感染拡大や世界経済の動向、ウクライナ情勢、対ロ制裁、国内の景気対策、原油・ガス価格、ルーブル相場、主要企業ニュースなどが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える25日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や26日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)会合(25-26日)も注目される。主な国内経済指標の発表予定は25日の12月鉱工業生産など。RTS指数は1300-1600ポイントの値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、WTI原油<1671.T>、

 ガス<1689.T>、原油<1690.T>、野村原油<1699.T>、

 iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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