エフコード、ウェブ接客ツール好調――BtoB展開も加速へ

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2022/2/22 9:30

 デジタルマーケティング支援のエフ・コード(9211・M)は、商品の購入を効率的に後押しする「CX(カスタマー・エクスペリエンス=顧客体験)」の領域で積み重ねた知見を武器に、ウェブ接客ツールが好調だ。今後は企業間取引のBtoB向けも積極化する。

 昨年12月に東証マザーズに新規上場した同社が提供するウェブ接客ツール「CODE Marketing Cloud(コードマーケティングクラウド)」は、EC(=Eコマース、電子商取引)サイトをはじめとするウェブサイトに訪れた消費者に対し、サイト内での行動履歴や企業の保有するデータなどを基に、ウェブ上でユーザー1人ひとりに最適な提案・接客を行うサービス。精度の高さに定評がある。

 2018年に投入した同サービスは、これまでに累計1000社以上で利用され、データとノウハウを蓄積してきた。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れやEC市場の好調も追い風に、同社の収益成長に貢献してきた。前12月期の営業利益(非連結)は1.6億円(前々期比5.1倍)に急拡大。多様なニーズを取り込むことで、顧客単価は同18%増と大きく上昇した。

 コードマーケティングクラウドは従来、一般消費者にサービスや商品を提供するBtoCビジネスを手掛ける大手企業が中心的な顧客だった。しかし、ノウハウの蓄積とともにターゲットはBtoBにも広がっている。コロナ禍で展示会の開催が難航し、訪問営業が制約を受ける中で、販促のIT化を進める動きが強まったことが背景にある。ウェブ接客ツールは成約率の上昇に寄与し、地方や中堅企業のDXニーズも取り込む。

 今期の業績予想は、売上高を8.6億円(前期比30%増)と大幅増収を見通す半面、営業利益は1.7億円(同5%増)と小幅な伸びにとどまる。これは、高まる商機を踏まえてプロダクト・人材・マーケティングへの先行投資を行うため。また、2月末をメドにコミクス社(東京都渋谷区)からSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業を買収し、新サービスの開発も強化する。

(写真:123RF)

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