3Dマトリク、止血材の引き合い急増――保険適用で国内主要病院が採用へ
2022/4/5 16:00

米MIT(マサチューセッツ工科大学)発の自己組織化ペプチド技術を擁するバイオベンチャーのスリー・ディー・マトリックス(=3Dマトリク、7777)は、止血材「PuraStat(ピュアスタット)」の引き合いが増している。米国市場での展開も期待され、今後の収益の伸びを加速する原動力になりそうだ。
3Dマトリクは「自己組織化ペプチド」と呼ばれる、アミノ酸を結合させることで複雑な3次元構造を形成する技術を基盤に、止血材をはじめとする医療製品を展開。PuraStatは内視鏡を使った消化器の手術向けに欧州で市場を確立し、止血だけではなく癒着を抑制する効果が医療現場で注目されている。
2020年には日本でも消化器内視鏡領域で承認を取得した。昨年12月に保険適用となったこともあり、問い合わせが増しているもようだ。消化器内視鏡の設備を持つ国内の主要病院から製品説明の依頼を受けた様子で、来4月期の受注へ向けたサンプル提供にも入っている。
日欧でのこうした成果は米国でも生かされそうだ。同国では、耳鼻咽喉(いんこう)科向け癒着防止材兼止血材「PuraSinus(ピュアサイナス)」の販売を今期から始めているが、PuraStatについても昨年6月に承認された。引き合いの強さは日本の状況に酷似しているとみられる。内視鏡で先進的な日本での臨床試験(治験)の実績や、主要病院での採用が重視されているようだ。
米国では5月に内視鏡領域で最大の学会が開催される。PuraStatに関するプレゼンテーションも予定されており、インパクトのある製品ローンチ(上市)が見込まれる。また、同社は次世代止血材の「TDM-623」についても、欧州で治験に着手した(対象は脳神経外科領域)。
同社はコロナ禍による手術件数の減少や、営業活動の制約が逆風となる中、日本と米国では直販体制の開始に伴う先行費用が膨らんだことで、今期の連結営業損益は26.6億円の赤字(前期は26.5億円の赤字)を見込んでいる。ただ、足元では回復感も出てきているもようで、今後は原価低減効果も現れ、早期の営業黒字転換を目指す。
(写真:123RF)
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