信和は次世代足場が好調、普及余地なお大きく――則武社長に聞く
2022/4/12 9:00
仮設資材のくさび緊結式足場「シンワキャッチャー」を手掛ける信和(3447)は、より施工性と安全性に優れた、次世代足場で新たな需要を取り込む。則武栗夫社長は、一段の浸透に意欲を燃やす。
(山田博・代表取締役会長(左)と、則武栗夫・代表取締役社長(右))
――前2022年3月期は第3四半期累計の連結営業利益が19.0億円(前年同期比25.2%増)と好調だった。主力のシンワキャッチャーとはどういう製品か。
「シンワキャッチャーは1988年に開発され、現在では住宅の建設現場の国内シェアはトップクラスにまで成長し、デファクトスタンダードとなった。組み立てに手間がかかるという足場の欠点を克服した上、リーズナブルな価格も実現した。安全性に優れ、解体時にはスピーディーに取り外せる」
――次世代足場の売上も伸びている。
「当社の次世代足場はシンワキャッチャーの進化型に当たる。手すりに抜け止め機構を備え、踏板の段差をなくし、安全措置機材を標準装備している。足場においては墜落落下が事故原因のトップを占めており、これらを防止する安全措置機材に対するニーズが高い。特に公共工事での採用が進んでいる。テレワークの浸透もあって住宅やマンションの改装需要が高まっていることも追い風だ。土木工事でも足場は使われるため、普及余地はまだまだ大きい」
――物流機器部門はEC(=Eコマース、電子商取引)や半導体関連の勢いが強い。
「仮設資材の製造を支える金属製品の加工や設計の技術を基盤に、自動車部品の輸送に使うパレット(箱型荷台)から領域を広げてきた。ここ数年はEC大手の流通倉庫向けラックが好調で、需要はこの先も強そうだ。また、液体搬送用パレットも手掛け、現在は半導体の洗浄液向け関連で売上が伸びている」
―原材料高の影響が気になる。
「鋼材をはじめとする価格の高騰は収束の兆しが見えない。輸送費なども上昇が続いていることから、販売価格の維持は限界に近いと考える。価格の改定を検討しなければならない状況ではある」
――新たな商品やサービスへの取り組みは?
「新商品開発については他社とのアライアンスを強化している。次世代足場の技術を応用し、超高層建築物向けの仮設資材やインフラ維持修繕に特化した新たなシステムの開発に取り組んでいる。また、高い収益性が見込まれる仮設資材や物流機器のレンタルを本格化する」
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