HCH・富永邦昭社長に聞く=NTTデータとの業務提携やコスモピアの子会社化で飛躍

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2022/4/15 8:30

 ヒューマンクリエイションホールディングス(=HCH、7361)は4月11日、NTTデータ(9613)との業務提携を発表。4月1日付で、21年10月のヒューマンベースに続いてICT関連ヘルプデスク・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務などを提供するコスモピアも子会社化するなど、積極的な業容の拡大を進めている。NTTデータとの協業と新たに加わったコスモピアについて、富永邦昭代表取締役社長に聞いた。

 ――まずはNTTデータとの業務提携についてお聞かせください。

 「NTTデータとは当社子会社であるアセットコンサルティングフォースが提供するデジタル接客・営業ソリューション『コネクトフォース』を基盤製品として金融機関向け共同サービス開発にかかわる業務提携契約を締結し、金融共同サービスの提供を開始しました。このたび、ファーストユーザーへの導入・納品が完了し、安定稼働が確認できたため公表に至りました」

 ――金融共同サービスとはどのようなサービスなのでしょうか。

 「コネクトフォースの持つリモート商談などの機能に、プライバシー保護機能などを追加装備いたしました。現在一般的に普及しているWEB会議システムでは、画面共有で契約手続きを進めるとお客様のプライバシー情報を営業担当者が知り得てしまいます。今回開発した金融共同サービスではこうした情報を隠すことが可能で、例えばこれまで非対面では困難だった保険販売などの契約で、健康状態や既往歴といった自身のプライバシー情報を営業担当者にみられることなく入力でき、商談から契約までを非対面で完結できます」

 ――今後の展開をお聞かせください。

 「サービスを開始したばかりで、短期的な業績への影響については見極めが難しい段階ですが、基本的にNTTデータが保有する豊富なクライアント群とのネットワークを活用しての販売を中心戦略に据えているため、同社との業務提携を強化することで、幅広い業界や業務に導入されていくことを指向しております。今9月期業績への影響は軽微ですが、今後のユーザー拡大に期待しています」

 ――子会社化したコスモピアについてお聞かせください。

 「コスモピアはシステムサポートの提供やサポートデスク、ICT関連ヘルプデスクの受託を行っている企業で、中央省庁や、大手化粧品メーカーなど数多くの顧客を持っています。当社グループはシステム開発の上流工程であるコンサルティング機能・受託開発機能の強化を図っておりますが、コスモピアのグループ入りにより、受託開発比率の向上に伴ってニーズが増大している運用支援領域でのサービス拡充を図れるほか、顧客ニーズをよりタイムリーに把握することで新たなシステム開発の需要を掘り起こす『二周目開発』の強化に繋がり、コンサルティング営業チームの増強が期待できると考えております」

 ――コスモスピア子会社化による業績への影響をお聞かせください。

 「コスモピアの子会社化は4月1日付です。当社の今期の連結業績売上への寄与は6カ月分となる一方、買収関連費用は今期中に計上を行う予定であり、その影響額については精査中です。今期の利益貢献は買収関連費用の計上の関係で限定的ですが来期以降はこうした買収関連費用もなく、年間での寄与を想定しています」

自己株式取得について

 ――2月10日には3~9月を取得期間とする自己株式の取得を発表しています。4月11日に開示された取得状況をみて、一部の投資家から取得株式数が少ないのではとの声があるようです。

 「自己株式取得についてはインサイダー情報から取引を隔離するため、当社は証券会社との間で投資一任契約を締結し、取引を一任しております。そのため、当社は個別注文に係る指図は行っておりません。また、日本取引所自主規制法人による「自己株式取得に関するガイドライン」を遵守し、当社の中間決算期末以前の5営業日において、買い付けを自粛する旨、証券会社より連絡を受けております。自己株式の取得につきましては、取得株式数10万株(発行済み株式総数の5.19%)、取得価額総額2億円をそれぞれ上限とする計画に変更はありません。引き続き資本効率の向上・株主還元の充実を図って参ります」

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