<新興国eye>前週の上海総合指数、ロックダウン懸念や不十分な金融支援で続落=BRICs市況

新興国

2022/4/25 10:44

 前週(18-22日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の22日終値が15日終値比3.87%安の3086.919となり、続落した。

 週明け18日の指数は売り優勢で始まり、21日まで5営業日続落した。

 18日は、前の週末に中国人民銀行(中銀)が預金準備率を0.25ポイント引き下げ、約5300億元の流動性を金融システムに供給できるとしたが、引き下げが市場予想の半分にとどまり、景気対策としては不十分との受け止めが広がった。ただ、1-3月期GDP(国内総生産)が前年比4.8%増と市場予想(4.4%増)を上回ったため、下値は限られた。

 19日は、証券各社が中国の22年の経済成長見通しを相次いで下方修正したため、景気減速懸念が強まった。ただ、中国国家発展改革委員会が料理宅配・小売業への支援策の必要性を指摘したことを受け、政府の景気対策への期待感が強まり、下値は限定的となった。

 20日は、中銀が銀行の貸出金利のベンチマークである1年物ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)を予想に反し、据え置いたため、中銀の金融政策支援が不十分との懸念が広がった。

 21日は、IMF(国際通貨基金)が中国の経済成長見通しを引き下げたことや、上海市保健当局が新型コロナの重症者が1日で3倍に増えたと報告したことが売り材料となった。

 週末22日は反発。上海市当局が隔離対象外でのコロナ感染拡大が一定基準に抑制されれば、ロックダウンを段階的に解除する方針を発表したことが支援材料となった。

 今週(25-29日)の株式市場は引き続き、ウクライナ情勢と西側諸国の対ロ制裁や米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では新型コロナ感染拡大や景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティ相場が注目される。主な経済指標の発表予定は27日の2月工業利益や29日の4月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)、30日の4月製造業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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