<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安や追加制裁受け続落=BRICs市況

新興国

2022/4/25 11:03

 前週(18-22日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の22日終値が前日比3.45%安の928.3、前週比では15日終値比2.84%安となり、続落した。

 週明け18日の指数は反落した。原油高が支援材料となったものの、西側諸国の追加対ロ経済制裁懸念が強まり、売り優勢となった。

 19日は反発し、21日まで3日続伸した。

 19日は、制裁懸念で売りが先行したが、後半に入り、買い戻し優勢の展開に。制裁ではマクロン仏大統領がロシア産天然ガスの輸入停止に言及したほか、カナダ中銀がロシア中銀のナビウリナ総裁とロシアの複数の実業家を新たに制裁対象に加えた。米国は追加制裁の検討を開始した。

 20日は、航空大手アエロフロートが急伸し、上げを主導。同社はロシアの年金制度を支えるための国民福祉基金(NWF)から1070億ルーブルの金融支援を受けることが決まったことが好感された。

 21日は、G7(先進7カ国)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる中、米英による制裁強化を受け、売りが先行したが、ロシア議会がナビウリナ中銀総裁の任期の5年延長を決めたことや、納税シーズンがピークを迎えたことでルーブル高が一段と進み、指数が押し上げられた。

 週末22日は反落。バイデン米大統領が新たな制裁措置としてロシア国籍の船舶の寄港禁止を発表したほか、世界景気の後退懸念から原油安が進み、売り優勢となった。

 今週(25-29日)のロシア市場は、引き続きロシアによるウクライナへの軍事侵攻や西側諸国の対ロ制裁による地政学リスク、原油・ガス相場などが焦点となる。RTS指数は800-1100ポイントの値動きが予想される。このほか、原油価格に影響を与える26日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や27日の米EIA週間石油在庫統計、ロシア中銀の金融政策決定会合(29日)も注目される。主な経済発表の予定は27日の3月失業率と3月鉱工業生産、3月小売売上高など。

<関連銘柄>

WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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