日経平均は46円高と3日ぶり反発、ハイテク株の一角堅調、トヨタの今期減益予想の影響限定的=11日後場

 11日後場の日経平均株価は前日比46円54銭高の2万6213円64銭と3日ぶりに反発。朝方は、売りが先行した。10日のNYダウが連日で年初来安値を更新したこともあり、寄り付き直後に2万6003円26銭(前日比163円84銭安)まで下落した。いったん上げに転じ後、再度マイナス圏入りする場面もあったが、先物に断続的な買いが入り、再びプラス浮上し、後場早々には2万6290円62銭(同123円52銭高)まで値を上げた。時間外取引で米株価指数先物が高く、中国・上海総合指数や香港ハンセン指数の上げも支えとなった。

 買い一巡後は、トヨタ<7203.T>が午後1時25分に市場予想を下回る今23年3月期の減益予想を発表、これが重しとなり、一時伸び悩んだが、影響は限定的で、引けにかけて2万6200円台で推移した。なかで、ハイテク株の一角などが堅調だった。

 東証プライムの出来高は13億6854万株、売買代金は3兆2045億円。騰落銘柄数は値上がり629銘柄、値下がり1158銘柄、変わらず50銘柄。

 市場からは「欧州系を中心に主力株の買いポジション外しが続いている。外部要因が不透明で、ボトムを探っている印象だ。とりあえず、米4月CPI(消費者物価指数)待ちで、結果を受けてマーケットがどう反応するかを見極めたい」(外資系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、郵船<9101.T>、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が上昇。鉄鋼株では、日本製鉄<5401.T>の上げが目立った。任天堂<7974.T>、バンナム<7832.T>、アシックス<7936.T>などのその他製品株や、島津製<7701.T>、オリンパス<7733.T>、東精密<7729.T>などの精密株も堅調。エムスリー<2413.T>、OLC<4661.T>、サイバー<4751.T>などのサービス株も値を上げた。ANA<9202.T>、JAL<9201.T>などの空運株や、カルビー<2229.T>、キリンHD<2503.T>、味の素<2802.T>などの食料品株も引き締まった。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株もしっかりで、東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ソニーG<6758.T>、横河電機<6841.T>などの電機株も買われた。

 半面、第一生命HD<8750.T>、T&DHD<8795.T>、MS&AD<8725.T>などの保険株が下落。トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>、日産自<7201.T>、デンソー<6902.T>などの輸送用機器株や、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株も売られた。レンゴー<3941.T>、日本紙<3863.T>、王子HD<3861.T>などのパルプ紙株も値を下げ、出光興産<5019.T>、ENEOS<5020.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株や、住友鉱<5713.T>、フジクラ<5803.T>、東邦鉛<5707.T>などの非鉄金属株も安い。大和証G<8601.T>、野村<8604.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株も軟調。

 個別では、BEENOS<3328.T>、デクセリアル<4980.T>、フィールズ<2767.T>、ファイズHD<9325.T>がストップ高となり、レノバ<9519.T>、邦チタ<5727.T>などの上げも目立った。半面、大平金<5541.T>がストップ安となり、JMDC<4483.T>、アイフル<8515.T>、日金銭<6418.T>、平河ヒューテ<5821.T>などの下げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、23業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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