<新興国eye>カンボジア信用機構報告―消費者向け信用金額は若干減少
2022/5/20 11:51
5月6日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(22年第1四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報などを取りまとめています。
今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は17%増、金額は3%減となりました。件数と金額のそれぞれの内訳は、個人向け貸付が件数16%増・金額1%減、住宅ローンは件数24%増・金額8%減、クレジットカード利用は件数0.2%増・金額28%増となっています。
消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比2.7%増の約139万人。残高は、前期末比5.1%増の125億ドル(約1兆6250億円)となりました。
不良債権比率は、20年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、21年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%、第4四半期2.03%、22年第1四半期2.35%と推移しています。
借入人の27.8%が複数の機関から借り入れを行っています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長などに応じていることもあって、不良債権比率は2%台にとどまっています。今後想定される支援措置の終了に伴い、不良債権比率が上昇する懸念があります。
新規貸付需要は、21年第1四半期と第2四半期が新型コロナの国内感染の拡大を受けて伸び悩んでいました。4月以降のロックダウン(都市封鎖)などの影響を受けて、継続的な貸付低迷の懸念がありましたが、段階的な規制緩和を先取りする形で第3四半期は、大きく盛り返しました。21年第4四半期、22年第1四半期は、概ね横ばい状態でした。
なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。
提供:モーニングスター社
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