ラバブルM、SNSマーケティングで快走――新規受注が勢い増す

無料

2022/5/26 9:00

 ラバブルマーケティンググループ(=ラバブルM、9254)は、企業やブランドのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に関するマーケティング支援を展開する。注力するSaaS(サービスとしてのソフトウエア)型サービスも好調に伸長し、前3月期の売上高が大幅に拡大した。

相互補完の循環成長モデル

 マーケティングのデジタル化の流れに乗り、主力のSNSマーケティング事業がけん引し、ラバブルMの業況が勢いを増している。同社はツイッターなどのSNSアカウントを顧客の企業から預かり、投稿コンテンツの作成やユーザーとのコミュニケーションをはじめとする運用を代行する。また、運用支援で積み上げた知見を基盤に開発したツールの提供や、SNS分野の人材教育にも領域を広げ、それらが相互に補完しながら循環的に成長するモデルを構築した。

 さらに、企業活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進により、育成事業であるマーケティングオートメーション事業(DX支援事業)も好調に拡大している。

 前期の連結売上高は13億8800万円(前々期比44.1%増)と過去最高を記録。同社が最も重視する新規受注件数は412件(同66.8%増)に伸長した。企業のSNS活用の重要性が増す中で、今後は、インフルエンサーや動画を活用した広告に応じたサービスを拡充して需要を取り込みたい考えだ。

 ラバブルMの顧客の過半は、売上規模1000億円を超える大企業。業種は幅広く、足元では医療・製薬業界や外資系IT企業などからの新規受注が増加している。

投資再開も利益高水準

 同社は安定した収益基盤につながる、SaaS型サービスの売上ウエートを高めていく構え。クラウドで提供する「comnico Marketing Suite(コムニコ マーケティングスイート)」は、日本でフェイスブックやツイッターなどが普及し始めた2012年に投入した主力製品。月額利用の継続率は、前期実績で98.1%と高い水準だ。

 また、キャンペーン実施に必要な作業を効率化する「ATELU(アテル)」のサービスも18年に開始し、SaaS型クラウドツールの契約件数は年率36.4%の高成長を続けている。SNSマーケティング支援のノウハウと、体系化した検定講座を通じて、教育分野も拡充する方針だ。

 今期の売上高は17億4200万円(前期比25.5%増)を計画。コロナ禍で人材採用を抑制した前期に2億円(前々期は3500万円の赤字)に積み上がった営業利益も、今期は採用や成長投資のアクセルを踏み込んだ上で2億500万円を視野に入れている。

 林雅之社長は今後の戦略について、クラウドツールの継続的な売上ウエートの向上を軸に、自治体やBtoCといった新たな顧客層の開拓、DX支援におけるセールスフォースの提案領域の拡大などを重点項目に挙げている。さらに、M&A(企業の合併・買収)の検討や長期的にはメタバース(巨大仮想空間)やNFT(非代替性トークン)の分野にも進出も模索していく構えだ。

(写真:123RF)

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ