<新興国eye>前週のロシアRTS指数、政府高官の原油価格上昇見通し受け3週続伸=BRICs市況

新興国

2022/6/20 10:48

 前週(14-17日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の17日終値が前日比0.10%安の1315.43、前週比では10日終値比3.67%高となり、3週続伸した。週初13日はロシアの日(6月12日)の振替休日で休場だった。

 休み明け14日の指数は小幅高となって始まり、16日まで4営業日続伸した。

 14日は、ブレント原油先物が1バレル=124ドルを超え上昇したことを受け、買い優勢となった。OPEC(石油輸出国機構)が22年の世界石油需要が前年に比べ日量336万バレル増の1億29万バレルとなると発表したことが背景。個別銘柄では国営天然ガス大手ガスプロムが買われた。

 15日は、中国の5月小売売上高と5月鉱工業生産が強い内容となったこと受け、欧州やアジア市場が上昇したことが好感され、ロシア市場でも買いが強まった。

 16日は、FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)において0.75ポイントの大幅利上げを決めことを受け、世界景気の後退懸念が強まり、欧米市場は下落したが、ロシア市場ではサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、アレクサンドル・ノバク副首相が原油価格は22年末までに1バレル=150ドルを超える見通しを示したことを受け、買いが広がった。ガスプロムと中国の中国石油天然気集団(CNPC)がロシア産天然ガスの極東ルートを通じた中国への送ガスで合意したことも支援材料となった。

 週末17日は小反落。原油先物価格が115ドルを割り込み、買い機運が後退。利益確定売りが強まった。

 今週(20-24日)のロシア市場は、引き続きロシアによるウクライナへの軍事侵攻や西側諸国の対ロ制裁による地政学リスク、原油・ガス相場などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える22日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や23日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は22日の5月WPI(卸売物価指数)など。指数は1250-1350の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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