<米国株情報>アルトリア大幅安、ジュール製電子たばこの市場排除命令観測を嫌気

株式

2022/6/23 9:47

 たばこ大手フィリップ・モリスの親会社アルトリア・グループの株価が22日、一時前日比約10%急落し、終値で9.19%安の41.4ドルと大幅反落した。米食品医薬品局(FDA)が近く、傘下の電子たばこ最大手ジュール・ラブスに対し、同社の加熱式電子たばこ製品の市場排除命令を発出する準備を進めているとの一部報道や、FDAが21日に紙たばこのニコチン含有量を大幅に引き下げる計画を発表したことが背景。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが伝えた。

 ジュールの市場排除命令観測は経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが最初に関係者の話として報じた。市場ではジュール製品の全面排除ではなく、FDAが限定的な販売許可を与えると予想していたため、ネガティブサプライズとなった。

 ジュールの電子たばこ製品の米国市場からの全面的な排除は、紙たばこから電子たばこなどのリスク低減製品(RRP)へのシフトが急がれるアルトリアにとって打撃となる。アルトリアは18年、ジュールの株式35%を128億ドルで取得。当時、ジュールは米国の電子たばこ市場で75%のトップシェアを誇ったが、最近では「キャメル」の銘柄で知られるライバルのレイノルズ・アメリカン傘下の電子たばこ「Vuse(ビューズ)」(14年発売)の後塵を拝し、2位に転落。3月末、アルトリアはピーク時で約350億ドルだったジュールの投資価値の評価額を16億ドルに大きく減額修正している。

 FDAは19年4月、ジュールの過熱式電子たばこの蒸気吸引とけいれんなどの発作症状との因果関係について調査を開始。同調査は10年から19年までに、ジュールの電子たばこを使用した消費者、特に10代と若年世代の成人からけいれんなどの発作症状が現れたことを受けたものだった。

 FDAは4年前からジュールに対する監視を強めており、20年にはすべての電子たばこメーカーに対し、検査用に製品の提出を命じた。その結果、FDAはジュールだけにフルーティーな香りで若年世代に人気を集めていたフレーバー電子たばこのカートリッジ販売を禁止。アルトリアと競合する、レイノルズとNJOY(エンジョイ)ホールディングスにはフレーバー電子たばこの販売継続を許可している。

<関連銘柄>

NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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